メディア・リテラシー (青山某を題材に)

.opinion 3.11

何度か本サイトでも使ってきた用語ですが、何のことだかわからんと何人かの人に云われました。ちょうど昨日、浜岡原発停止について第七艦隊のためだとメディアで説明する人が出てきたので、これを題材にメディア・リテラシーを考えてみましょうか。(とりあえず第一稿)

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メディア・リテラシーって、なんか難しそうに聞こえますが、要するに、情報を評価・識別する能力のこと。ハナシの真偽を判断したり、メディアに騙されないための知恵でもあります。

TVや新聞の世界にはマトモな話もありますが、それだけではありません。公平中立とは建前だけの、ウソ八百やゴマカシが潜んでいたり、メディアを通じて力の強い者がそうでない人たちを情報誘導したり、ひどい場合にはヒトを罪に陥れる道具と化すことがあります(松本の河野さんや厚労省の村木さん等を考えてみて下さい)。それら負の部分にマヤカサレないためには、こちら側にもそれなりの用心がいるというわけ。

ほんじゃ、本題にいきましょう。
5月7日の夕方、菅総理が突然浜岡原発の停止要請を発表しました。一方で民主党幹部は原発推進は堅持だと云うのですから、こりゃいったい何だ、でしょう。で、私の読みを昨日アップしていましたら、昨日朝のTVで青山繁晴さんが「浜岡の停止は米軍の要請を受けて決定された」と云っていたというのを昨晩ネットで見ました。

私のは単なる推測であるのに対し、青山某のはいかにも何か知っていそうな感じ。その説明は本当なのか。何か公式文書か当局の説明でもあるのか。どうやらそれはなし。やはり、本人が云っているだけのようです。

では、この青山某の話はいったいどう考えればいいのか。何らかの判断をするためには、まずどんな人物なのか、そこから話を始めなければなりません。簡単なものはウィキペディアでわかりますし、本人がHPなどを持っているならそこでもチェックできます。リテラシーチェックの第一歩ですね。

すると、彼は民間の研究所を運営しており、TVやラジオにいろいろ登場する人物だということがわかります。そういえば、フジTV系ニュース番組でよく見かける顔ですね。おまけに、旧自民党政権とは懇意にしており、「内閣府の原子力委員会原子力防護(核セキュリティ)専門部会専門委員」をはじめ、国関係のお仕事をこなしているらしいこともわかります。血縁筋までわかるといいのですが、ネットではそこまで出ていません。ともかく、

そんな人物がわざわざ内部事情をペラペラしゃべるとしたら、それはどんな意味があるのか。単におしゃべりなのか、それとも誰かのためにそんなことを云いだしたのか、思惑は何か、そんなことを考えなければなりません。いずれにしても、そのまま鵜呑みにするのは危険です。

こういう時、考えるべきは相手の立場の再確認が必要です。この場合、権力装置の一部としての発言なのか、それとも個人的な思いの発露なのか、そこらを読み取らねばなりません。青山某はおそらくゲンシリョクムラの一員、それも現政権には批判的勢力の側ですから、そういう立場からの発言とみなすのが妥当でしょう。

じゃ原発推進のゲンシリョクムラの連中が今望んでいるのは何か。東電福一原発の早急な事故収拾。これは反原発・脱原発な私たちも同じ。でも、推進側としては、この事故によって原発の全国的推進に歯止めがかかって欲しくない。浜岡原発停止なんかに飛び火するなんて困惑だという感じでしょうか。これは立場の違いから明らか。さらに現政権に批判的な勢力としては、自らの利権が奪われるような解決方法も当然面白くありません。

浜岡原発の停止が彼ら(つまり、ゲンシリョクムラの住人)にとって気にくわないものであれば、菅政権のやり口に足を引っ張るであろうことは容易に想像がつきます。ましてや、嫌米派にとって米国の圧力で浜岡原発を止めたなんてのは許し難いことでしょう。それが、青山某の内情ばらしに繋がっていったのではないでしょうか。

本当のところは私にはわかりません。でも、ゲンシリョクムラの意向とはヒバクを強制する側の論理ですから、一見まともそうなことでも警戒しておくのが無難です。もし本当に米国の意向で浜岡原発を止めたのであれば、第二防波堤が完成する今後2年以内にまた停止を再延長するのか、あるいはその間に米海軍が神奈川から他の場所に移転するのか、そんなところです。しっかり監視を続けていきましょう。