運と性格

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運がいいとか悪いとか その2。運が良いと思っている人とそうでない人がいるのはなぜか。運の良し悪しは本当に人によって違うのでしょうか。そのことを突き詰めた研究者がいました。運に関する研究や蘊蓄を書いているモノを辿っていけば、だいたい彼の研究に突き当たるほど有名なのがリチャード・ワイズマン。先日書いた引用元も彼の『運のいい人、悪い人』(角川書店 2004年)の中に登場します。

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周りを見ていると運のいい人がいれば悪そうな人もいる、どうやら運の良し悪しは人によって違うのではないか・・・もしあなたがそう思っているなら、ちょっと待って下さい。リチャード・ワイズマンさんの本を読めば、それが勘違いであることがよくわかります〔注記)。

チャンスが巡ってきてもそれが自分にとって運だと認識できなければ活かせません。また、いくら認識できても、それを具体化する知識や心構え、あるいは資金や交友関係などが不足しているとうまくいかないかもしれません。前回はここまで提示しましたが、今回問題にするのは性格的な問題です。

ワイズマン曰く、心理学によると私たちの性格はわずか5つの特性で説明できる、とのこと。その5つとは、協調性、誠実さ、外向性、神経症的傾向、開放性。そこで彼は、運がいい人と悪い人の性格に何か違いがあるのか調べてみたらしい。


結果を云えば最初の2つには違いはなかった。でも残りの3つには双方に違いがあることがわかったのです。そこから引き出した、いわば仮説みたいなものは以下の通り。

1)運のいい人は「運のネットワーク」を築き、それを広げている
2)運のいい人は肩の力を抜いて生きている
3)運のいい人は新しい経験を喜んで受け入れる

リチャード・ワイズマンのこの結論は私が云うところの「運の認識力」を高めるために必要な特性と考えればその通りでしょう。


要するに、引きこもっていたり、何でもかんでも1人で解決しようとしたり、あるいは毎日セコセコ余裕のない暮らしをしていたり、頑固に何かに固執していたら、いい運にはなかなか巡り逢えないということ。心しておきましょう。

(注記)
リチャード・ワイズマンの『運がいい人、悪い人』は廃刊になっていますが、よく売れるのか、改題して『運のいい人の法則 (角川文庫) 2011』になって今でも読むことができます。