合成洗剤を売る日本生協連合

Water

  合成洗剤が石けんよりも「環境に優しい」という主張は、何も合洗メーカーだけでなく、日本生協連合やその取り巻き学者からも発せられています。

 日生協は「よりよい洗剤」として、せっけん、複合せっけん、高級アルコール系洗剤を位置づけ、普及活動をすすめていますので、日生協店頭では当然のことながら、合成洗剤が販売されています。組合員や消費者団体からのクレームに対して、他の店で買う位なら生協店で売った方がいい、幅広い品揃えが大切等と意味不明の受け答えをしている某生協のような所もありますから、もう滅茶苦茶。

 ずっと合洗売ってきた日生協もさすがに科学的根拠に乏しいのが気になったのか、92年〜95年にかけて新潟大学の高橋さん(中西準子さんのお弟子さん)らに委託して調査させています。ところが、合洗と比較した石けんは、あまり評判のよくない米ヌカ粉石けんだけ。結果・評価も奇妙で、各方面から反論やクレームの渦だったことは知る人ぞ知る話。ところが、日生協が現在根拠にしているのはその変な報告書らしく、内部的にはそれを配布して合成洗剤販売の合理性を主張しています。外部の議論や反論については知らない振りの日生協、科学的根拠云々よりも日生協自身が合成洗剤を売りたいからではないのでしょうか。

 この日生協の危うい議論は環境ホルモン問題登場でさらに危うくなっています。微量でも生殖障害をきたす可能性のある物質であれば、(避けることが可能なら)避けるべきです。この環境ホルモン物質のノニルフェノールが合成洗剤に結構入っていることがわかっています。日生協扱いの製品でいえば、「クリーンE」、「Kソフト」、「キッチンマイルド1/2」なんかがそうです。生殖毒性については、石川貞二さん(元鳥羽水産試験所所長)らにより、合洗によってウニの発生卵に異常をきたすとか従来の毒性論ではよくわからない危険性も指摘されてきました。昨今の環境ホルモン議論はそんな未解決な議論に光を当てています。これをどう評価するのか。日生協だけでなく、合成洗剤メーカーにも是非伺いたい点ですが、この辺は知らん顔を決め込んでいますね。あれだけ環境ホルモン環境ホルモンと騒ぐマスコミも大スポンサーのご機嫌損ねてはならぬと考えているのかどうか、全く問題化する気がないみたい。困ったこっちゃ。

 生協の組合員さんは合洗を店で売っているから安全だと考えないこと、決して合成洗剤を買わないこと。組合員が買わないような商品を売っているということになれば、誰のための生協か、すぐにわかります。<期待しても無理かなぁ。