訳の分からぬマスコミ報道

一泉庵

  今朝の朝日新聞によると、通産省による原子力発電コマーシャルに対して、 フジテレビが放映を断ったとのこと。

 理由は、核燃料サイクルについては政府設置の原子力円卓会議でも結論が出ていないからという。もっともな話だ。ふがいないのは、テレビ朝日やテレビ東京で、何の異議も唱えずホイホイと放映 するらしい。原発に関していえば、テレビ朝日も朝日新聞も、どちらかというと 推進側の論理での報道が多いのは私の回りではほぼ共通意見。

 しかし、フジテレビだけを誉めるわけにはいかないのがややこしい。先月のテレ ビ朝日ニュースステーションのダイオキシン報道はどうだったか。内容に正確さ を欠く部分があったのは確かだが、ダイオキシン問題、少なくとも所沢の問題 への解決への第一歩となったことは誰も否定できやしないはず。にもかかわら ず、久米宏叩きなのかどうか知らないが、「揚げ足取り」だけであの報道内容 の意図するものをないがしろにするようなバッシングを他社がはじめたのには ほとほと呆れてしまう。報道っていったい何を伝えたいのか、単に視聴率狙い が目的なのか、もうちょっと考え直していただきたいものだ。「事実」を伝えるな ら、ニュースステーションの不正確さとともに、その不正確な報道が国や自治 体を動かし始めたことも伝えなければフェアではない。
まぁ、マスコミがジャーナリズムというよりも情報産業というべきものに近いとい うことを考えるなら、訳の分からぬ話も分かるような気がする。でも、それでも なおマスコミの良心に期待をかえたいと思う私はアマちゃんなのかもしれませ んね。