雪景色2014

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road1401bびわ湖の周りも今朝は雪景色。もともと色彩に乏しい季節ですが、雪になると正真正銘なモノクロ世界になってしまいます。これがなかなか面白く、そして美しい。そんな景色を少し。

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昨年の暮れからモノクロ写真に嵌まっています。カタチの面白さ・美しさをストレートに感じることができるからです。

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思えば、1970年代に写真を撮り始めた頃、私はモノクロ写真(白黒写真)ばかり撮っていました。著名なプロはモノクロで撮ることが多く、それを真似していたつもりでしたが、カラーなんかでゴマカすのはアートじゃない等と本気で思っていた位です。生意気なガキですね(苦笑)。そういえば、カラーならCANONのレンズが鮮やかだ、NIKONはカラーよりもモノクロ向きだ等と云われていた時代でした。

それがいつのまにかカラー写真が一般的になり、専門店に行かなければモノクロフィルムが手に入らなくなります。90年代になってくると「写るんです」なんてのが登場し、それも世紀が変わってしまうとだんだんデジカメに変わってしまい、フィルムカメラは衰退していくのですから、時代の趨勢とはコワイものです。

私自身デジカメではカラーが標準だと思い込んでいました。でも、ひょんなことからGRをモノクロモードで使い始めてびっくり。なんじゃこれは! 見えなかった・見ていなかったカタチが浮き出して見えてくるではないですか。
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色がついているとどうしてもその色彩に目を奪われ、意識がそちらへ向かいます。でも色がついていなければ自然とモノのカタチが見えてきます。少しコントラストを高めると尚更カタチが浮いてくるのです。考えてみれば、その理由は明らか。写真を撮って30年以上になるのに、今頃になってそのことに思い至りました。

ちょっと前にLeicaがモノクロしか撮れないデジカメを出しました。驚くことにカラーが撮れるものより値段は高く、いまどき何故そんなものを…と訝しがっていた自分が恥ずかしい。

最初に目に付く属性が物事の姿を隠してしまうのか、それとも雑事雑念が私たちをモノの真理から遠ざけるのか。モノクロ写真でカタチが浮き上がってくるのを自覚しながら、そんなことを考える次第です。

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(追記)最後の写真だけがカラー。でも、雪景色でほとんどモノクロの世界になっています。