イタリアコットン  あるいはスイスコットンその後

.Lowcarboあるいは糖質制限 .opinion fashion

シャツ2昨年3月にスイスコットンに纏わる話を書きました。その記事が、ここ1ヶ月間のアクセス統計10位内に入ってきたのは景況感のなせるわざでしょうか。ということで、スイスコットンその後。
昨年3月にカシミヤ綿混のシャツを1枚作って以来、金沢の同じ店でさらに2枚シャツを作りました。今度はスイスじゃなくてイタリア製の生地です。

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先の話で登場する某アパレルメーカーの偉いさんが私に教えてくれた話の1つに、一番良いシャツはイタリア製の生地を日本で縫製したものだ、というのがありました。生地のたしかさと縫製の確実さ、それが合体した世界最高の組み合わせというわけでしょうか。ホンマかな〜なんて思っていましたが、今から振り返ってみると、シャツにしろジャケットにしろ私の服の中で着心地が良く、かつヘタリの少ないものはイタリア生地で日本縫製のものばかり。あのおじさんの言い分はホンマやね〜。

イタリアに対する憧れ? う〜〜ん、それもあるのでしょうが、シャツ生地1つとっても色合い、風合い、着心地の違いは別格。もちろん、イギリス他の生地でも上質なものはたくさんありますし、日本製でも良いものはたくさんあります。でも、種類の豊富さや値段とのバランスという面ではイタリア生地は頭1つ抜けているのではないでしょうか。

案外、買い物好き (幻冬舎文庫)そういえば、同じような話は村上龍さんの「案外、買い物好き」〔幻冬舎)にも登場します。その中に、彼がミラノのアパレルショップでシャツを山ほど買う話が出てきます。イタリア製品に対する無条件賛美のようにも受け取れるんですが、彼の言い分に私は納得します。

さて私事ながら、昨年来、金沢の金港堂さんでシャツを3枚作りました。1枚目は例のスイス・アルモ製の生地でしたが、その後の2枚はイタリア製。1つはブレンバーナ、もう1つはグランディ&ルビネッリ。


シャツ1面白かったのは昨年2月と今年2月の1年の間に私の体型がすっかり変わってしまい、型紙を作り直さなければならなくなってしまったこと。糖質制限のおかげで、首回り、胸回り、胴回りが2周りほど小さくなってしまったからです。仕立て屋さん泣かせですね(苦笑)。

とここまで読んでくると、値段のことが気になる人もいるでしょう。もちろん、ユニクロ製やぶら下がりのものに較べると高くつきます。だいたいシャツ1枚で2万円〜と考えて下さい。これを高いと考えるか、リーズナブルと見るかはあなた次第。忙しいビジネスマンのようにシャツを酷使する生活をしているなら安価なものの方がリーズナブルなんでしょうが、ときには良いシャツを着ると気分も変わっていいもんですよ。

値段について云えば、有名服飾メーカーたとえば、ゼニアとかブルックブラザーズ等々はイタリア生地を材料にして自社ブランドのシャツに仕立てています。先日某百貨店の仕立てコーナーを覗いていたら、私が作ったシャツと同じ生地がダンヒルブランドで並んでいましたが、お値段は私が仕立てたお店よりもずっと高く、やはり中間マージンの少ない専門の仕立て屋さんに分有りでしょう。

シャツ3最後に、これから上質な生地でシャツを作ろうという人へ。
シャツ1枚作るにもそれなりの知識と経験が要ります。シャツのカタチ、襟のカタチどうするのか、襟幅は何センチがいいのか、肩幅サイズはピッタリでいくのか、バストやウエストの余裕はどれくらいが適当か、袖丈や袖の仕舞いはどうする、ボタンはどんなのがいいか、ボタン糸の色は…等々、それなりに作法?!があるからです。

何事も最初からうまくいくとは限りません。お任せでない以上、自分がこれぞという押さえ処を掴むまで、2〜3枚は勉強だと思って、お店選びも含め自分に合ったものを見つけ出すしかありません。私もそうでした(苦笑)。グッドラック!
(以上、ここで載せた写真は金港堂さんが仕立て上がりの連絡で送ってきたものです)

さらに、英国生まれ今はイタリアのアルビニ傘下のトーマス・メイソンでシャツを作る話も追記