タイ その3 バーツと円

.Travel & Taste

タイの通貨はバーツ。お金が絡むと、どうしても円換算での評価が避けられません。でも、物価が違うし、為替レートも変動するので一筋縄ではいきません。実際、私がタイに証券口座を作るため送金した2003年は1バーツが3円程度でしたが、現在は2.5円前後。2割は違います(円高)。その間、タイの経済は成長し、一人当たりのGDPもアップしていますから、円安タイバーツ高になってもいいはずなのに米ドルとの関係があってそうはなっていないのが実情です。

・・・

今回タイでお金を使ってみて、連れ合いが考え出した換算式は次の通り(2012年時点)。

タイバーツ価格 x 10 = 日本での価値

つまり、タイバーツで60バーツの汁麺なら日本では600円くらいになるということ。なかなかイイ線いってます。正確さを問題にするなら、10より前後するのでしょうが、簡便性を優先し、割り切りの良い数字にしています。だいたいで考えて下さい。(ちなみに、タイの1人当たりGDPは5400ドル、日本は46000ドルで8.5倍の開き :2011年)

タイ円の為替レートは約2.5円なので、この換算式は次のように分解できます。

タイバーツの円換算値(タイバーツ価格 x 為替レート2.5) x 4 = 日本での価値

ここで出てくる倍率の4がタイと日本との物価差となります。つまり、物価で4倍違うということ。チェンマイなら、バンコックより物価がさらに低いのでこの換算値は6とか8とか大きな値となる感じ。

いくつか実際例でみてみましょう。
センセープ運河の船なら12~15バーツで乗れます。日本円換算で30円程度です。でも、先の式によると120~130円感覚。こちらの方が妥当ではないでしょうか。BTS(スカイトレイン)は最低15バーツ。日本円なら38円ですが、先の式なら150円。ほら、これなら日本の地下鉄料金とほぼ同じ感覚になります。

また、バンコックのタクシー初乗りは35バーツ。円換算なら88円ですが、350円と思えば、まぁ日本的感覚で解釈できます(それでも安いけど)。


食事も同じように換算できます。カオマンガイは30~60バーツですが、これを80円と見なすか、300円と考えるのがいいのか。また。バンコックの高級レストランに行き、二人で前菜&メイン&デザートを注文すると、アルコール込みで3000バーツ前後でしょうか。単純な円換算では7500円ですが、実際には日本感覚で2人で3万円くらい使っていることになりそうです。ローカルなタイ人なら富裕層でないと出したくない値段ということになりそうです。こんな風に、バーツの10倍円というのはなかなか有用です。

別にまんまの円換算でいいじゃないか。なぜわざわざ日本感覚に合わせなアカンの?という意見もあるでしょう。もちろん円換算でオッケイなんですが、そうするとタイの物価が安すぎることに無頓着になって、お金の価値を間違えてしまいます。


タクシードライバーが10バーツの違いに拘るのをせこいとした旅行者の言い分をネットで見たことがありますが、25円じゃなくて100円だとしたらどうでしょうか。お金の価値を間違えると、ローカルな人との付き合いも危うくなってきます。でも、バーツを10倍しておけばタイ人の金銭感覚とシンクロできそうだというわけです。

ということで、何の話を進めるにも、まず先立つものはお金という話でした。