崖っぷちの覚悟

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崖っぷちの覚悟―年齢制限!?関係なし!固い話が続いたので毛色の違ったのを1つ。
著者ご本人がFMラジオでしゃべっていたのをたまたま聞いて興味を覚え、読んでみました。素晴らしい! まるでフィクションのようなノンフィクション。こういう人生もあるんだね。

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レースクイーンの仕事で出かけたサーキットで、レーシングカーを運転したいと一念発起。モデル稼業で運転免許もない女性が思いつく話ではないと普通は思うのですが、彼女はとにかくレーサーになりたいと思ったらしい。

クルマの免許をとり、レースのスポンサーを探し、国内のフェラーリレースで名を上げ、世界に飛び出し、F3で名をあげていく…。そういう流れなんですが、レースで事故る話なんかも飄々と書いているし、とにかくマイナスな話はほとんどない。いわゆるポジティブ思考で、最高速で突っ走る者にブレーキになるようなマイナス思考は邪魔のようです。

訓練といえば、朝食前に20キロ走り、朝食後は自転車で100キロ。時間に遅れて昼食抜き。最後はクールダウンで水泳3キロ。レースがない時にはそんな生活の繰り返し。毎日がまるで鉄人レースじゃないですか!私とは別世界ですね。

レースといえば、2G3Gの力がかかるため、男でも腕を脱臼したり首を痛めたりするとのこと。それを防ぐには体を鍛えるしかありません。それを身につけるためにどれほど訓練していったか。それもまた凄まじい。

アマゾンの書評で就活にも参考になるようなことが書いてありましたが、さもありなん。前向き・ポジティブな考え方は疾走の下支え、そして力づけられます。

個人的にこの本で一番印象に残ったのは序文で著者が書いたこと。曰く、

・・・「年齢の壁」「性別の壁」「国籍の壁」などさまざまな壁を試行錯誤しながら乗り越えてきたけれど、超えるのにもっとも時間がかかった壁がある。
それは、「自分でつくった壁」。

う〜〜〜ん。超えた者にこそ語れるセリフなのか。初っぱなから引き込まれてしまいました。読み終わって拍手です。でも、F3レーサーになりたいとは思いませんでした(苦笑)。