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自衛隊秘密諜報機関 ―青桐の戦士と呼ばれて日本にも非公式非合法な諜報組織があるそうな。一般には公表されていないので当局は一切認めないでしょうが、この本は国家が秘密にしてきた、その活動内容は書き連ねています。どこまで本当かはわかりませんし、オヒレもあるでしょう。でも記述内容からみても、十分ありそうですね。

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この本は御本人が一員だった自衛隊の諜報機関の内情を暴露したもの。昔の日本陸軍には中野学校という諜報要員養成機関があり、彼が所属していた機関はその流れをくむとのこと。

およそ主権国家なるもの、他国の情報をいかに正確に掴むというのは国家戦略の基本中の基本であり、そのためにCIAやMI6、あるいはKGBみたいな組織があるわけ。

諜報を英語ではインテリジェンスといいますが、インフォメーションつまり情報とは別物です。大きな違いは、前者がウソホントゴチャマゼにした謀りゴトに関するものというのが相場でしょうか。国際外交では(いや政治の世界では)、相手の出方を窺いつつ、丁々発止のやり取りを行うことになるので、ウソやマヤカシがまかり通るのはごくごく自然のこと。バカ正直に政治家のいう話を信じる方が愚かだという方が妥当でしょう(ここで白いハト黒いハトの顔を思い出した人、正解です)。

阿尾さんが暴露するような、米国のCIAや英国のMI6に相当するような非公式な機関が日本にもあることが国民に知らされていないことに、非核三原則のような国家のダマシというか、危うさを感じてしまいます。興味のある人は本にあたってもらうとして、私がびっくりしたのは諜報活動の方ではなく、別の話でした。

それは台湾が以前は国連の安保理常任理事国だったこと!

中国はその昔、国連安保理常任理事国ではありませんでした(知ってました?)。台湾、つまり蒋介石の中国から現在の中国に変わった経緯も複雑ですが、70年代初め頃中学生になったばかりの頃だったせいか、そんなヤヤコシイ話、記憶に全くありません。

この本の中に当時の日本と台湾・中国に関する秘密諜報活動が紹介されていて、臨場感をもって歴史を感じることができます。それにしても私、ホンマに何も知らずに国際情勢云々とか云ったりしている自分が恥ずかしい。そんな思いがした読後感でした(チャンチャン)。