1986 ベラノフ 2022

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1986年のワールカップ。マラドーナにジーコ、プラティニ等々、今でも名前が出てくるような選手が躍動した大会でしたが、私がびっくりしたのはソ連のベラノフ。とくに対ベルギー戦での打ち合いは凄まじく、今でも記憶に残っています。そのベラノフさん、実はウクライナ出身。シェフチェンコさんの先輩。

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ソ連の社会主義体制が崩壊したのは1991年。ウクライナの独立宣言はそれに先立つ1年前。1986年のワールドカップはまだソ連崩壊前なので、ソ連代表の中にはウクライナ出身者が大勢いました。

その1986年のワールドカップでは、マラドーナ(アルゼンチン)やジーコ、ソクラテス、カレカ(ブラジル)、マテウス、リトバルスキー、ルンメニゲ(ドイツ)、プラティニ(フランス)、ブトラゲーニョ(スペイン)、リネカー(イングランド)等々、今でもときどき名前が出てくるような選手が活躍したのはご存じの通り。

その大会でソ連はベスト16まで勝ち進んでいますが、その中で一番得点を挙げたのがベラノフさん、ウクライナ出身。彼がベルギー戦で見せたペナルティエリア外からズドンと決めたシュートは凄かった。今でも鮮明に記憶に残っています。その後バロンドールを獲得し、現在ウクライナ軍の兵士として戦争中らしい(現在61歳)。



ロシアのウクライナ侵攻は明らかに侵略戦争なのに特別作戦などと言い換えるプーチン。サッカーに関してもソ連の崩壊でいろいろな共和国に分かれたため、サッカー選手がバラバラ。終戦になってもロシアとウクライナの選手がいっしょに仲良くチームを組むとはとても思えません。

出典はGOAL誌

スポーツからロシアを排除するな、選手と国家は違う、という意見がありますが、国家の代表という限りは制裁対象にすべきだと私は考えます。だって、国威発揚のスポーツはプロパガンダそのものだから。ウクライナを取り巻く状況から尚更そう思う次第。ベラノフさんの安否や如何。