コロナ茶番劇?

.opinion health/sickness

18日のFM番組「サンデーソングブック」の冒頭で山下達郎さん曰く、「2つ疑問あり。1つは、日本は医療大国と云っているのに新型コロナのワクチンが作れないのはなぜか? 2つ目、日本は欧米に比べて感染者が少ないのに、なぜ医療崩壊が問題になるのか?」とのこと(概意)。「新聞テレビでは全くわからない」と付け加えていました。この疑問は正鵠を得ています。というのも、ほとんどのメディアは大同団結・大政翼賛化し真相を国民から遠ざけているから。ということで、私が代わりに解答をトライ。

・・・

新型コロナ禍で山下達郎さんは昨年からコンサートを開けず音楽活動を制限されてしまい、いろいろ気になっての発言だったと思われますが、本当に「わからない」のかどうか。おそらくある程度の答を持っていても、彼は政治的発言を嫌うタイプなので表向きは質問という形式をとったのではないでしょうか。それはさておき、

まず1つ目。医療大国という云い方は国民1人当たりの病床数が多い等、医療サービスが充実している状況を指しているのでしょう。でも、日本では欧米と比較して民間病院が多く、がんや心疾患などお金のかかる(儲かる)医療に注力しており、感染症は後回し。儲からない分野もカバーしてくれる公的病院が圧倒的に少ない。端的に云えば、感染症対応は後進国並みだというのが今回の経緯で明らかになりました。

またワクチン開発にどれだけ国がお金を注ぎ込んだかといえば、これも欧米に比べて桁違いに少ない。新型コロナに対する危機感の違いもあったのか、昨年当初は100億円。その後の補正予算で478億円と増額していますが、既に遅し。海外からワクチンを輸入すれば良いとタカをくくっていたのでしょうが、これでは国産ワクチンが作れないのも当たり前。旅行に行こう!というGoTo政策には何兆円も使うのに、ワクチンには数十分の1〜百分の1も使わない、というのでは、開発できる方が不思議です。

出典は、「感染症の範囲及び類型について」平成26年(2014年)3月 厚生労働省健康局結核感染症課

次に2つ目、感染者が欧米よりも少ないのに医療崩壊とは何ゆえか? この答は簡単で、新型コロナを感染症二類相当として、一部の医療機関でしか対応できないような仕組みにしてしまったため。その結果、押し付けられた医療機関だけが新型コロナ対応で疲弊し、業務遂行が困難になった。これを、医師会やお追随するテレビ新聞が医療崩壊と呼んでいるだけ。

二類感染症には致死性の高いSARSや鳥インフルエンザ等が含まれます。当初新型コロナはその危険性が不明だったので、二類だと判断したのも宜なるかなです。でも、その後、致死性は二類感染症ほど高くないと分かったので、インフルエンザ相当の五類程度に落とすべきでした。新型コロナが季節性のインフルエンザよりも死亡者が圧倒的に少ないことは既に示した通りです。

アマゾン書評に、この本のことを「読むワクチン」とのコメントあり。上手いこと云う人がいるもんだ。

二類から五類に変更して重症患者だけを特別な施設でケアするという対応をとれば、現在云われているような「医療崩壊」とならないことは関係者の多くが指摘している通り。なのに、当初のマズイ判断を撤回しないのは国の失策を認めたくないからでしょうし、感染利権を減らしてしまうのは困るという姑息な対応ではないのか(旧日本軍的思考という人もいる)。

医療関係者は500万人弱とされています。でも新型コロナに関わっている人たちはそのうちの一部だけ。日本では医療関係者からワクチン接種を始めましたが、たとえば最初にワクチン接種を開始した地域医療機能推進機構(JCHO 尾身会長が理事長)のうち、新型コロナに関わっている人の割合は極めて少ない。要するに、世間の誤解をうまく利用し、身内にまずワクチンをうったというわけです。

本来なら重症者が多い介護施設の関係者にワクチンを打つべきだったのですが、国のいう医療関係者には介護関係者が含まれていません。したがって、いまだに高齢者施設の感染リスクは放置されたまま。これでは感染拡大は止められません。飲食店の時短要請については科学的根拠もなく、何かやっているゾ感の演出そのもの。とにかく行政の感染症対策にはいろいろ問題ありで、一部は茶番劇化しています。

(追記)新聞テレビは(小さな声でしか)触れませんが、国立大学病院や大手民間病院は新型コロナ感染者を積極的には受け入れていません。なぜか。国立大学は文科省担当であり、二類対応の施設設備が少ないことと、日々の医療に影響が大きいため感染症患者を拒絶しているから(研究目的でごく少数の受け入れはあり)。患者を受け入れようとした旭川医大病院長を「勝手に受け入れるな」と解職した学長が自らのイスに座り続けていることは、多く人がご存知の通りです。

・・・と、ここまで書いてきて、おまえの話なんかアテになるものか、もっと詳細な説明を聞きたいという御仁には医学関係者が解説したものを右上に紹介しておきますので参考にして下さい(この本のすべての意見に賛同しているわけではありません、念のため)。とにかく大政翼賛な新聞テレビだけを情報源にしていると過剰な感染恐怖に毎日苛まされ、国民の健康よりも自身の利権拡大を目論む人たちの餌食になるだけ。警戒心はウイルスだけでなく、ウイルスを利用する勢力にも向けなければなりません。ご用心。