谷野さんのお皿

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今日届いたある展示会のお知らせの作者一覧に「谷野明夫(故人)」とあり、びっくり。谷野明夫さんは信楽にお住まいの陶芸家。ネットでググると、工芸会のサイトに今年没とあり。思わず合掌。(お詫び」当初「個展」としていましたが、多数の作家ごいっしょの展示会でした)

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気になって、その展示会の開催者である、ごろろんき(京都大原)の大谷さんに尋ねると、谷野さんが亡くなったのはコロナ禍ではなく、病気で今年1月の京都高島屋個展を開くのがやっとで、三末に他界されたとのこと(享年70歳)。年度末で亡くなるって律儀な人だね〜とは大谷さんの弁。

さて、拙宅にある小皿は下の通り。どこでもありそうで、でもなかなか見つからない、そんな簡素で透明なデザインが谷野さんの真骨頂。このお皿、昔拙宅でごろろんきさん一家と会食した時にお出ししたら、「あ、谷野クンのだ」。大谷さん一家は谷野さんと長い長い付き合いだから、すぐに見破ったのでしょう。

御本人とお会いしたのは2004年の秋、祇園の某ギャラリー。物腰柔らかな落ち着いた雰囲気で、作品の清楚さそのままという佇まい。選挙残念でしたね〜と云われたのが今でも記憶に残っています(こちらが地元の町長選挙で敗退した後だった)。日頃のお付き合いがなかったとはいえ、毎日のように谷野さんの小皿を使っている身としては何かモノ哀しさを感じてしまいます。

ネットでググると、陶芸教室の生徒さんらが講義風景のムービーをアップしておられました。生徒さんらから慕われ、信頼されていたのが偲ばれます。

谷野さんの小皿を見ながら、これを手に入れた時の気持ち、使う楽しさ、その器でいっしょに会食した友人たちとの楽しい時間等々、いろんなものが記憶の中から甦ってきました。モノはモノにあらず、いろいろな思い出や記憶の缶詰はとっても貴重です。

それにしても、ちょうど数日前、ピキタンのタルトケーキを載せながら、谷野さんの小皿っていいなぁと思ったのは、この展示会案内の前振りだったのでしょうか。