日本企業が開発した全自動PCR検査装置 なぜ日本では使われないのか

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PSSという千葉県の会社をご存じですか。その会社が開発した全自動でPCR検査をする装置のOEMと検査キットがヨーロッパで大活躍しているというのです。日本でPCR検査数が伸びないのは設備が少ない、熟練の人員がいない、等という説明でしたが、国や専門家会議はこの会社の分析装置や検査キットを知らなかったのでしょうか。知っていて無視しているのだとしたら、感染症の分析をめぐる利権のニオイがプンプン。

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日本での感染実態が不明なのはPCR検査を絞っているせいだ、というのはほとんどの人が認める通り。「日本の恥」とまで云う人が出てきました(拍手!その通り)。どこかで目詰まりしている、とまるで他人事のように云う首相や、いろんな要因を説明するだけで改善しようという意気込みが全く感じられない専門家会議の尾身氏はあまりに無責任(どちらも早く退場して欲しい)。

医療崩壊するからPCR検査数は絞った方が良いというのは国と忖度メディアの情報操作。あるいは、分析装置は精密性を求められるし、分析にも熟練が要求されるから難しい、だから国の言い分もまぁわかるという人も多いことでしょう。でも、全自動のPCR分析装置と検査キットが日本で開発されていて、OEM供給された装置や検査キットを使ってフランスやイタリアは日夜検査数を伸ばし、感染実態の把握に繋がっているという話を知るとどうでしょうか。

数日前、「日本が開発「全自動PCR検査システム」なぜ導入されず?」(日刊ゲンダイ)という記事が出てきました。開発した会社は、千葉県松戸市のPSS(プレシジョン・システム・サイエンス)。会社曰く、手動のPCR検査は工程が煩雑だが、時間がかかる作業を自動化すれば時間短縮ができるし、台数を増やせば検査数も増やせるとのこと。

こんな製品が日本では「研究用機器」として放置されたまま、PSS側が国に申請しても進展なし、ってのは何か変。もし現場でこの検査機器や検査キットが活用されていれば、日本の感染実態の把握はかなり進んでいたはず。残念です。

一方で、フランスではOEM供給の機器と検査キットを使用し、PCR検査に大活躍とか。その結果、駐日フランス大使からPSSに感謝状が届いたので、今回のニュースになったらしい。

国も感染研もこの装置や検査キットを知らなかったのか。いやそれはないな。だってPSSは申請をしているのだから無視したというのが正しいでしょう。おそらく感染症の検査には官界・業界・学界の中に岩盤のような利権構造があり、それが画期的な製品や新規参入者を阻んでいるのではないでしょうか。

モノ作り日本という云い方があります。でも今回のような話を聞くと、せっかくのモノ作りを無駄にしてしまう国だと云う方が当たっています。皆さんも是非PCR検査がなぜ日本では不十分だったのか、その理由を考えてみて下さい。

ちなみにPSSは東証マザーズに上場しており、現在株価は急上昇中。国よりも相場師の方がよっぽど目利きだという証拠です。