コンテイジョンとは接触感染

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COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染拡大によって話題になっている映画『コンテイジョン』(制作は2011年)。連れ合いが観たことない、と云うので最寄りのレンタル屋を探すも貸し出し中。じゃアップルムービーで、ということで昨日観ました(私は2回目)。改めて観ると、8年位前に観た時には意識しなかった細かい演出に気づくこと多々。今回のCOVID-19では飛沫感染と接触感染がそれぞれどの程度なのか未だ曖昧ですが、この映画を観ると勉強になる所いっぱい。

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当方、水系感染症が守備範囲の1つでしたが、まず恥を晒しておくと8年くらい前にこの映画を観るまでContagionという単語を知りませんでした。

何やねんと調べると「接触感染」。この手のものは空気感染や飛沫感染が主だと考えていた自分の知識不足に呆れた記憶があります。さらに今回2回目の鑑賞で、いろいろな接触感染の様子が登場するのを観て、1回目の理解は浅かったことを痛感しました。

映画は致死率20%位というウイルスの感染被害を扱っています。ストーリーはDay2から始まるサスペンス仕立て。じゃ1日目はどうした?と思う人もいるかもしれませんが、最後の最後で出てきますのでご心配なく。



映画では、それまで経験したことがない新型ウイルスの感染が広がり、多くの人がバタバタ死んでいきます。新型なのでワクチンも特効薬もなし。まるで今回のCOVID-19とそっくりじゃないですか。

そっくりと言えば、ウイルスの由来も似ている。映画の中の新型ウイルスはコウモリと豚由来と示唆されていますが、COVID-19の原因ウイルスである『SARS-CoV-2』もコウモリのコロナウイルスと強い関連あり。映画の致死率は20%というような設定でしたが、COVID-19も高齢者では同程度の値。おそらく、ウイルスや感染疫学、社会の反応に高い見識を持つ人が監修した映画なのだろうと感心した次第。

映画からの重要なメッセージの1つ。新たなウイルス感染はワクチンや特効薬が出来るまでは甘く見てはいけないし、決して安心してはいけない、ということ。この映画でそのことを改めて痛感しました。映画のようにワクチンが開発されることを強く強く願う次第。それまでは我慢我慢。

4月5月には災厄も収まるだろうと考えるのは(気持ちはわかるし、私もそう思いたいのですが)全く根拠なし。1年もすればワクチンができているだろうと考えて1年伸ばしたオリンピックもギャンブル。この映画を観ると、そのことを思い知らされます。厄介。