糖質制限 8年目へ

.Lowcarboあるいは糖質制限

昨年「私の糖質制限は7年目」を記してからまた1年。この11月で8年目に入りました。既に食べ物と自身の血糖値の動きはだいたい把握できたので、ごくごく普通に糖質(炭水化物マイナス食物繊維)少なめの生活をしていますが、自身の記録と備忘を兼ねて整理しておきます。

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既に何度も書いていますが私自身の思考整理を兼ね記すと、

コトの発端は2006年10月末、狭心症で緊急入院。調べてみると冠動脈がほとんど詰っており、放置していると心筋梗塞になりかねないという状況にびっくり。ステント留置でなんとか命を繋ぎ、何をするにも健康が第一と悟った次第です。

その後毎日の散歩で歩数を稼ぎ、食事は過食をやめ、コレステロールや脂肪分を控えたものと内容を見直しました。これで安心かと思っていた2012年夏頃、たまたま血糖値を測ったら食後に異様に高くなっているのを発見。

こりゃ何だ、このままでは合併症を起こすゾ、と心配になった時、本屋で出会ったのが江部康二医師の糖質制限の本でした。これが糖質制限との出会いでした。

とりあえずやってみたら、糖質を摂らなければたしかに血糖値は上がりません。肥満気味だった体重は減ってきました。体調も次第に良くなり、数十段の階段上りもだんだん苦にならなくなってきました。そんなこんなで良い点が多かったのでそのまま継続。

当初私の身長は168cmで体重は69kg前後、現在は56〜57kgで安定しています。また内脂肪が大きく減ったせいで、91cmはあったお腹周りは79cmを切りました。おかげで衣服は上から下から何もかも買い替えとなったことは既にお伝えした通り。

HbA1c(NGSP)のデータでみると上記の通り。最初は摂取する糖質量を抑えてきたので6以下で推移してきました。2年前くらいから食事の内容、時間のかけ方などを見直したこともあり、現在は6.0前後をウロウロしています。この値は「糖尿病が否定できない」範囲に相当しますが、このままうまく上昇を抑え込んでいければ良しと考えています。

血糖値に関してはSMBG(自己血糖測定)やFreestyleリブレの活用で、どんな食事がどのように血糖値を上げるのか、その時間変化はどうなっているのか等々をチェックしてきました。その結果、

必ずしも食材糖質量の絶対値に拘る必要はない
ゆっくり食べる、糖質は後回し

ということがわかりました。
もちろん絶対量の評価は第一ですが、血糖値の上昇は動的変化なので(ダイナミック)、ゆっくり食べる、あるいは食べる順番を考えて糖質は後回しにすることで十分に抑えられるから、です。小難しくいえば、単位時間当たりの摂食糖質量を問題にすればいい、ということ。

そうすれば食材選択は大きく広がり、食事内容も随分バラエティーに富んだものが楽しめます。これは有り難い発見でした。実際、日本旅館での朝食でも20分〜30分おかずに時間をかけ最後にお漬物等でご飯一膳弱くらいなら160前後のピークで抑え込めています。

また、ここ数年朝食を摂るように変更しました。というのも、食べて腸を動かすのが便通にはベターだと考えたから。食物繊維の多い大盛サラダとクリームチーズたっぷり塗った糖質オフのパン1枚といった内容で、糖質量としては高々10〜15g程度でしょうか。

夕食に関していえば、Freestyleリブレで自身の血糖値の日変動を掴んだので少し糖質が多いものでもオッケイと考え、最近はときどきご飯(半膳程度)を食べるようになりました(もちろんご飯やパスタなしの日も多し)。そういう動向を反映してA1cが少し高めの6.0前後なのでしょう(私の場合です、念のため)。

最近はコンビニやスーパーでも糖質オフや糖質ゼロと称した食品が出回るようになりました。ネットでも真贋いろいろな情報が氾濫していますが、それもまた過渡期の特徴なのでしょう。いずれにしても糖質制限が異端扱いされていた8年前に比べると隔世の感あり。

既に米国や欧州では当たり前の糖質制限。そんな科学的な知見を無視・軽視し従来の食事療法に拘る糖尿病専門医や栄養士さんがたくさん残っている現在、建前だけの権威に頼っていると私の未来もあなたの未来もありません。

一方で、糖質制限の拡大解釈や誇大宣伝もいろいろ出てきています。糖質制限をやっても肥満が解消しない事例もあります(原因は糖質過多だけではないから)。また私のように糖質制限でも食後の眠気は収まらず、数年の糖質制限でも血中コレステロール値の改善はできなかった例もあります。

私の場合、糖質制限5年後6年後で冠動脈の狭窄でステント追加を行いました。つまり、理由は不明ながら大動脈性の疾患には必ずしも糖質制限が有効ではないケースあり、ということでしょう。

でも、ものは試し。糖質制限はトライするだけの価値はあるのではないでしょうか。自身で糖質制限をやってみて血液データが大幅に改善できた私はそう思う次第です。

追加)糖質制限で変わったこと はこちら