京都南丹市の三セクプール 吸水口事件が大阪高裁で和解

プール事故

読売新聞8月12日関西版によると、2000年3月、京都府南丹市の保養施設にあるこども用流水プールで小学一年生男児(当時)が吸水口に背中を吸い付けられ、後遺症を負った事件について、大阪高裁において8月11日に和解が成立したとのこと。この事件、私は知りませんでした。…

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こちらの事件では吸水口にフタがしてあったこともあり、中までこどもが吸い込まれることはありませんでした。でも、監視員2名の力では引き離せず、ポンプのスイッチを切ってからの救出となり、後遺症のてんかんを患ったとのこと。

高裁での和解は、被告4者(施設運営の南丹市3セク「日吉ふるさと」と、設計施工の3社)が1280万円を支払うというもの(請求は2200万円の損害賠償)。ただ、地裁判決での過失相殺(被害者側2割)を高裁和解でなしにしたというのが大きな進展でした。私に云わせれば当然です。今回の埼玉県での事例を持ち出すまでもなく、単にその「穴」近くに近寄っただけで被害者側の過失を問うのは筋違いだから、です。

それにしても、流水プールの吸水口の吸引力は通常の循環式プール排水口のものよりもかなり大きそうですね。今回の埼玉県の事件も含め、流水プールについてはただ単にフタの二重化だけでなく、その大きな吸引力を減じる技術的対応が要求されているような気がします。

ああ、書き忘れていました。
この裁判でもわかるように、こういった事故事件で問われるべきは、プールの持ち主だけでなく、設計施工の会社の責任も忘れてはいけません。ところが、今回の埼玉の事件ではまだ設計施工の会社は表に登場していません。そこが出てきてはじめて、組織的過失の全貌が露わになると私は考えています。