埼玉プール事故:法律や基準では安全は確保できません

プール事故

産経新聞8月8日インターネット版によると、「全国30136校にプールが設置されている公立校では、ふたの固定に不備があるのが185校。福岡県で36校見つかったほか、愛知県でも27校あった。防止金具に不備があるのは、1238校。千葉県の183校が最多で、東京都(138校)、山口県(115校)が続いた」とありました。
え、愛知県でも27校? これは奇妙ですね?だって、愛知県ではプール条例を設け吸排水口の安全柵の2重化を命じていたはずではなかったのでしょうか?…


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愛知県のプール条例の中で吸排水口に関する記述は既に触れました
この条例が有効なのは最初のプール開設の時にチェックできることだと考えられますが、今回の調査結果から明らかなように、運用開始後の不具合については上手く機能していませんでした。罰則規定があるとはいえ、行政の改善命令に従わなかった時に使われるだけであり、不具合をあっただけでは罰金も発生しません。現場は指摘されるまでは安心なわけですから、実際のシバリにはなりにくい。その結果、今回の条例違反27校が生まれました。開設時は吸排水口の二重化をしていたのかもしれせんが、その後清掃や点検補修などの時に蓋をはずしたり金具をはずしたり、何らかの理由で条例の求める安全対策をパァにしたというのでしょう、きっと。吸排水口が危険な箇所だという認識がなかった、というべきかもしれません。

要するに、いくら法律を用意しても、いくら基準を厳しくしても、守らない所は守らない。人の命を軽視し、安全対策なんか二の次だと思っている人が、日本で一番厳しいプール条例を有する愛知県にもたくさんあるということ。規制のない他の自治体は推して知るべし。実にお寒い状況でしょう。プール管理者だけでなくプール設計施工、許認可などプールに関する人たちすべてが吸排水口の危険性を認識しなければ、立派な条例や基準も絵に画いた餅。やはり、プールはあぶない、と考えておく方が身のためです(きっぱり)。