どうやって電気を貯めるのか

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電気はうまく貯めることができません。電池や蓄電池などがあるではないかとの声が聞こえてきそうですが、ニッケル水素では大容量の用途には向きません。鉛蓄電池では性能劣化した後の廃棄物問題が厄介で、それに重くて嵩張ります。ソーラー発電で昼間作ったものを貯め夜間に使おうと考えても、蓄電池の経済効率や廃棄物のことを考えるとちょっと二の足を踏んでしまいます。しかし、この状況も電気二重層キャパシタの登場で一気に変わるかも。…

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キャパシタというのは以前コンデンサといっていたもの。英語でcapacitorというので、いつのまにか変えられているようです。したがって、キャパシタ自体は昔からあるモノで、最近登場したわけではありません。

電気二重層キャパシタと蓄電システムじゃ、電気二重層キャパシタとはいったい何か。従来のとどこが違うのか。考案者である岡村迪夫氏のお書きになった本によると、特殊な充電用電気回路と組み合わせて蓄電能力を画期的に増やしたもの(ECS:Energy Capacitor System)をいうようです。

テクニカルな話は岡村さんらの専門書を参考にしていただくとして、このECSでは短時間に大量の電気を貯えることが可能、効率良し、寿命は長く環境負荷は小さいとのこと。イイコトづくしのようですが、難点は値段が高いこと。既に実用品はあるようですが、インターネットでいくら調べても価格がもうひとつ掴めないのは、まだまだ大々的に宣伝できるほど安くはないということでしょうか?今後、製品のコンパクト化や量産による低価格化に期待したいものです。

拙宅の当初設計では、昼間はソーラー発電、夜間は燃料電池を使って電力会社からの商用電力を排除しようと考えていました。燃料電池の熱源もガス会社から購入するのではなく、いずれはソーラー発電の電気で水素を作り出し、それを貯えておこうというのが狙いです(1998年当時としては画期的だったと今でも自負しています)。ところが、肝心の燃料電池と水素貯蔵装置にいいものがまだ出てきません。燃料電池は市場に登場しましたが、電力線との系統連携ができないなど問題を含んだまま。今手を出したら、ソーラー発電系列と燃料電池系列の2本をどう組み合わせるのか、かなり頭を悩ませそうです(2系列連動させるシステムを販売する会社もありますが)。

やはり、ここは電気二重層キャパシタにがんばってほしい。そうすれば、拙宅の場合、ソーラー発電で作った電気を貯え夜間の電気需要に使えます(蓄電量の計算が別途必要ですが面倒な話はここでは触れない)。まず、原子力発電を含む商用電力と縁切りしたいという願望はこれでかないます。

さてさて、電気二重層キャパシタと燃料電池、どちらが先に手の届く価格になり、かつ使い勝手の面で問題がなくなるのでしょうか。その日はだんだん近づいてきたような感じもするこの頃ですが、何年先になるのか私にはわかりません。関係者の皆様のご尽力に期待しています。

(おまけ)これを書いていると、共同通信インターネット版に「電池の代わりに「電気二重層キャパシター」という蓄電装置を市販の1人乗り電気自動車に搭載し、1−2分の充電で約20分走行することに、東京大生産技術研究所の堀洋一教授らのグループが成功し22日、公開した」(2月22日)とのニュースが流れていました。