フレンチパラドックス

.Lowcarboあるいは糖質制限

木々の葉っぱは最後の1枚まで心を和ませてくれますが、それももう最後の最後。年の瀬迫る慌ただしい毎日、皆様お変わりございませんか。

さてさて、フランス人は喫煙者が多い上に脂肪いっぱいの食事をしているのに心臓病になる人の割合が少ない、これをフレンチパラドックスというそうな。ポリフェノールを多く含むワインを飲むからではないかという話には商売っ気を感じてしまいますが、糖質制限を始めてみるとあることに気づきました。

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それは、彼我の食事内容の違いです。フランスの家庭やレストランではご飯はまず出てきません。また、フランスパンは料理の添え物であって、主食じゃありませんし、ドイツ人みたいにジャガイモをたくさん食べるわけでもありません。調理にも砂糖を使うことはほとんどなく、使うとしたらデザートですが、みんながみんな食後に甘いデザートをいつもとるわけではありません。食後はデザートではなくチーズを食べてワインを飲む、というパターンもありの国です。

一方、日本ではご飯が主食。イモ類は根菜として日常的に食卓にのぼります。うどんや蕎麦、ラーメンの類は多種多様。また、日本料理には砂糖や酒・みりんがふんだんに使われます。おまけに、和菓子や洋菓子、フルーツにも糖分がいっぱいですし、間食のスナックの類も山ほどあります。その上、日本全国至る所に自動販売機があって、糖分入りの飲み物が24時間売られている状況です。

どこが違うといえば、口に入る糖質の量。日本食は糖質いっぱい。これに対し、フランス食は糖質が少ない。そこから考えられるのは、糖質摂取量の少ないフランス人は血糖値も上がりにくい、だから心筋梗塞や狭心症などの心疾患のリスク減に繋がっているのではないだろうか、ということ。

飽和脂肪酸と心疾患との関係を調べた学者はいたようですが、糖質と心疾患との関係を調べたら結果はどうなっていたのか。フランス料理は脂肪いっぱいで不健康、日本食は脂肪が少なく健康的などという、まことしやかな噂が出回り、糖質が肥満や心疾患の原因になっている危険性を見落としてしまったのではないでしょうか。糖質制限が広まるにつれ、フレンチパラドックスの見直しがなされるのかもしれません。

と、ここまで書いてきて、脂質を摂りすぎると肥満になるのではないか、コレステロールは健康に悪いんじゃないのかという疑問を感じる人もいることでしょう。実はこれが根拠のない、あるいは間違った話だということを糖質制限を始めて知りました。次回はこれについて。