国家の恥

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国家の恥 - 一億総洗脳化の真実上杉隆さんが半年前に上梓した本。ネットの「ダイヤモンド・オンライン」の「週刊・上杉隆」に載ったものをまとめたものです。
改めて、大手メディアが3.11以前から御用機関であること等を再確認できます。

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この本は、この国の恥ずかしい実態をこれでもか、これでもかと読者の前に展開していきます。タイトル通りです。構成としては、初出の順番とは違い、まず3.11以降の御用メディア批判を皮切りに、官房機密費にたかる大手メディアや評論家の生態、そしてマインドコントロールされて翻弄される国民の姿等々、テーマ別に整理して並べていますので分かり易くなっています。

東電福島原発絡みの話にも興味深いものが満載ですが、既にいくつかは本HPでも触れていますので省きます。といいつつ、1つだけ紹介するなら、3.11以前から今回の御用メディアのやり口はわかっていたという話。

著者は、なぜTVや新聞が真実を伝えないのかという点について、記者クラブという制度的馴れ合いを一貫して批判してきました。だからこそなのか、上杉さんが取材を元に事故後すぐの時点で、原発はメルトダウンしているのではないかと指摘したら、ウソツキだと多くのメディアから叩かれてしまいます。素人が勝手な話をして世間を惑わすなというわけでしょうが、ウソツキはどちらだったのか。TVや新聞に出てくる学者という人たちがいったいどんな連中だったのか、もう私が云うまでもないでしょうが、その経緯についてもこの本で紹介されています。

不透明な官房機密費について問題にしたのも上杉さんでした。覚えていらっしゃいますか?
発端は2010年4月19日野坂弘務元官房長官がTVで、評論家やコメンテーターあるいは新聞の論説・解説委員、あるいは記者クラブのメンバーにお金をばらまいてことを暴露した、あの事件です。ところが、大手メディアは自らの非を問うことになるので知らん顔。ネットで情報収集する人を除けば詳しく知らない人の方が多いのではないでしょうか。

その結果生まれているのが今日の御用メディアですから、フクシマの被爆問題、小沢問題や消費税増税問題等々、メディアの報道を信用せよという方が無理です。この事件で、偉そうにTVや新聞で解説するような人たちの醜さが白日の下に暴露されたともいえますが、2年も経つと事件がなかったかのような雰囲気に持っていっているのが今のTVや新聞だというのも記憶しておく方がいいでしょう。

3.11と原発事故、そして現在に至るまで、大手メディアがいったい何をしてきたのか。信頼できるものだったのか、誰のために動いているのか。いまだにNHKや朝日や読売等が真実を報道しているなんて思っているなら、自分が誰に何に洗脳されているのか考えてみた方がいい。

私たちにできることは御用メディア以外にアンテナを張り巡らし、自らの感覚を磨き、より本当の話を常に探し求めていくしかありません。とくに、官房機密費によるメディア操作や小沢裁判の真相なんかを知りたい向きには、この本は良い参考書です。お薦め。