カダイフ

.Travel & Taste

話はがらりと変わり美食の世界へ。
カダイフってご存じですか? 昨年も同じ時期にコレを使ったお料理を食べたのに完全にド忘れ、先月あるレストランで出てきた時には初めてのような感じでした。それがまた先週別の処で遭遇しても先月聞いた名前を失念。あ〜ぁ、何度聞いても覚えられない己の記憶の不確かなことよ。(お詫び 凱悦軒のシェフのお名前を訂正 6/21)

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カダイフ。

京都のフレンチのお店、ル・コントで先月、白アスパラに生ハムを巻き、その回りをさらにこの食材、カダイフで覆ってオーブンで焼いたものが出てきました。パッと見は、まるで細めのビーフンみたいですが、原料が米粉ではなく小麦粉なので味が違います。これがとっても美味。普通の揚げ物より素材の味がよくわかりますし、脂を生地が微妙に吸ってくれるのか、パリパリ感のパン味です。

元はと言えば、中東アラビア半島のお菓子の生地だそうで(クナーファ)、それがフランスやイタリアへ持ち込まれて料理の素材として活用されるようになったとか。先月もこれがカダイフという名前であることを聞いたのですが、頭の中をスルーしてしまったのか、記憶に残っていませんでした。

それが先週また別のレストランで遭遇。場所は中華料理の「京 静華」。

今度はアユの揚げ物の衣に使われていました。テーブルに出てきた時、ちょうど1年前に同じレストランで、友人家族といっしょにコレを食べた記憶が蘇りました。覚えていたのはデキ上がりの姿と味の絶妙さのみ。食材名は聞いたはずですが記憶に残っていません。その時は会話で盛り上がっていたためだったのかも。

衣のようで衣ではないような繊細なカダイフに包まれた新アユは、パリパリのパン風味を追っかけるように、微妙な甘味と苦味の双方を感じさせるアユの味わいが上ってきます。あぁまた夏がやってきたんだなぁ、今年も健康で良かった良かった等と勝手な幸福感と口福感。何といえばいいのか、とにかく最高です!

ちなみに、静華さんは香港の凱悦軒(ホイユッヒン)で修行されていたとのこと。あの周シェフのお店です(以前大阪ガスがコマーシャルに登場させていましたが、今は引退)。私たち夫婦は約20年前の一度きりの経験ですが、未だにそこで食べたものをすべて覚えています。それくらい印象的で最高の味でした。

静華の味って、その繊細な味わいによく似ているし、ワインリストに載っているのも似ていたので、まるでホイユッヒンみたいですねと尋ねたら、以前そこで働いていましたとピッタシカンカン。世界最高の中華料理の味を受け継ぎながら、さらに日本の食材をうまく使い、最高の美食を展開するお店です。私はこの店を知って以来、香港へ行って中華を食べようという気持ちが失せました(苦笑)。

さてさて、カダイフですが、今度はちゃんと覚えていられるのか。連れ合いはカダフィの奥さん(ワイフ)なんて云って記憶に残そうとしているので期待しておきましょう。