必ず嘘をつく政府

3.11

政府は必ず嘘をつく  アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること  角川SSC新書先日、「ショックドクトリン」の帯にある堤未果さんのコメントを取り上げたら、あの日訪れた本屋で偶然この本を発見。虫の知らせですな。早速読みました。
堤さんといえば、「貧困大国アメリカ」の著者で知られていますが、今回のは911から311にいたる世界のうさんくささに焦点を当てています。(追記あり 4/14)

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政府は必ず嘘をつく・・・、このタイトルに違和感を覚えるようなら、あなたはまだカモです。タイトルそのものは歴史学者のハワード・ジンの言い分をそのまま採用したようですが、偉い学者を引っ張ってこなくてもその通り。

311を思い出すまでもなく、国民に”余計な”心配をさせないように等というお節介な判断で、正しい情報を伝えないのは古今東西いつものこと。

イラクに大量破壊兵器なんか存在しなかったのに、あると言い張って侵略戦争という大量殺戮を行ったブッシュの米国。証拠は確かだと嘘をついて同調し日本を巻き込んだ小泉某。彼らこそ、大量破壊兵器そのものだったわけで、政府が嘘をつくのは目的はいろいろあるのでしょうが、常套手段みたいなもの。

著者は911以降米国が行ってきたアコギな行為を暴露しながら、同じ方法が311でも繰り返されることに警鐘を鳴らしています。その点ではまさにナオミ・クラインの「ショックドクトリン」と同じ論法。でも、311を取り上げてることで私たちには馴染み深く、非常にわかりやすい。

本文中には私も知らない話がいろいろあって、たとえば東京都で大量産廃つまりガレキ処理を引き受ける能力のある業者が実は東電の小会社だという下り。つまり、3年で約300億円が東電側に流れるということ。マッチポンプだったんですか。早々とガレキ受け入れを決めた都と東電との間にも醜悪な関係があるだろうなぁとは思っていましたが、そんなカラクリだったんですね。最近大阪市の天下りが関電に69人だと報じられていましたが(朝日新聞2012/4/10)、東京都も東電にぎょうさん天下っているんでしょうね、きっと。(追記あり)

著者は「違和感という直観を見逃すな」とし、真の情報に辿り着くための処方箋をあれこれ提示しています。違和感を身につけることも修行のうちですし、そのためのコツや方法も知っておく方がいい。「腑に落ちない話があったらカネの流れをチェックしよう」というのは、本サイトの読者なら始めて聞く話じゃないはずだけど、きわめて有効です。政府そしてメディアのゴマカシやマヤカシに対抗したいと考えている人は是非手にとってみて下さい。

〔追記)
東京都ガレキ処理を担当するのは、「東京臨海リサイクルパワー」で、東電95.5%出資の子会社です。このアコギさについては、既に多くの方々が指摘していらして、たとえば、「東京都と東電子会社が被災地がれきビジネスで焼け太り 税金から都1億円、東電140億円」等々が早くから指摘しています。その他、「東電、東京都、ガレキ」などでググってみて下さい。