サブプライムローン

一泉庵

米国の住宅債券のうち、支払が怪しいものをまとめたものがサブプライムローン。それを証券化して金利を10%〜20%超で売っているのを買い込んだのが大手のヘッジファンド。利率が高いのでファンドの成績が上がりますもんね。ところが、おおもとが返せなくなって債権が焦げ付きはじめるとあら大変。途端にファンド筋がバタバタと倒れ始めています。

先週のバーナンキさん曰く、その焦げ付き負債は1000億ドル!!、なんとまぁ12兆円とのこと。ノーベル賞学者を擁して潰れた(精算された)LTCMの当時の負債でも4〜50億ドルでしたが、1000億ドルという数字はLTCMの負債が可愛くみえますね。

今回はLTCMの時とは違うとか何とかいっているギョウカイ人が大勢いますが、ファンドの解約などを恐れるが故のポジショントークかもしれません。だいいち、自分のお金を使わない者の発言を信じる方が愚か。皆さん、大丈夫ですか?

90年の時を思い出して下さい。あの時その後10年以上株価が低下し、資産は目減りするかもしれない、と解説してくれたギョウカイジンはどれだけいましたか? その危険性を報じたメディアはありましたか? 今なら誰でもバブル崩壊だと説明しますが、当時そんなことを云う人は皆無に近かったことを私はきっちり覚えています。実際、少し戻すとまたカイだ買いだと喧伝していた連中ばかりだったのでは?

自分の身は自分で守るしかありません。ギョウカイジンの言い分は背景を込みにして聞くべきです(きっぱり)。

(追記)これ書いていて私が役所を辞めた時のことをまた思い出しました。私が辞めたのは90年6月ですが、辞めようと思った89年頃は役所もイケイケドンドン、お金はいくらでも借りられる、NTT債は余っているから大丈夫・・・等として、返済計画もまるでなしで大規模公共事業に邁進していました。これじゃいつかは潰れるなぁと云っても、当時の幹部にはそんな話を聞く耳もなし。むしろ疎まれた位でした。その後どうなったか? 大阪府は見事に破産寸前。予想した通りですね。