Joe Hill

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ジョーン・バエズ3つ目。バエズといえば、私は「Joe Hill」を忘れられません。名誉を守るために我が身を捨てることができるのだろうか? 高校生の時にそんなことを考えさせられたから。

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淡々と唄うバエズ。紹介のYouTubeはウッドストックの時の貴重な映像で、後半に別の歌が入っていますが、まぁそれはご愛敬。

「私は決して死なない」って繰り返しが出てくるんですが、死刑囚がなんで? 英語をまともに聴き取れないので歌詞を読むと、どうやら死刑囚が夢に出てきてそう云うんですね。わからんなぁ。読み進めると、死刑の罪に問われたJoeさんにはアリバイがあるんだけど、それを法廷で云うと、その晩いっしょにいた友人の既婚婦人の名誉をだいなしにしてしまう(不倫)、だから黙って刑を受け入れたのだ…という話らしい。歌詞にそうはっきり書いてあるわけではないので、おそらくライナーノートか何かで読んだのかもしれません。

読んだ時、少しショックでした。不倫は大変だという話ではありません(念のため)。自分が死刑になるかならないかの境目で名誉や自尊心をどこまで守れるかという、何かテストのように思えたからです。今だったら、そういうスタンスはよくわかりますが、当時は理不尽・不条理のように思った記憶が残り、バエズの「Joe Hill」も心に残りました。

ところで、昔、Joe Hillが何者であるかは全く知識がありませんでした。恥ずかしながら、ここ数日バエズの軌跡をインターネットで追っていて初めてJoeさんについても知識を得た次第。ウィキペディアの説明はこちら。 –> Joe Hill

彼は、およそ100年前の社会運動家。資本家階級に対抗するリーダーの1人だったこともあり、権力側に睨まれ、おそらく罪なき罪を問われ死刑にされてしまった人物のようです。先のアリバイ話が本当かどうかははっきりしませんが、そういう逸話が残る位人々に慕われていたのでしょう。蛇足ですが、英語に抵抗がある人は、たとえばグーグルの翻訳サイトで和文にすることができますのでお試し下さい。

高校生の頃、こういう歌を聴いたり、いろんな本を読むことにより、世の中が何か理不尽なものだと思うようになり、パターン認識型受験勉強だけでなく高校生活そのものもアホらしくなってしまいました。登校拒否はしませんでしたが、早退サボリは当たり前、勉強も好きなものだけ勝手に。要するに自分の納得できるものだけを選ぼうと思ったわけ。よくグレずに歩いてこれたものだと今更ながら思います。でも、納得できる生き方を選ぼうとした努力?をしたおかげで、で、その後痛快な人生が送れるようになったんですから、まぁ良かったのでしょうね、きっと(蛇足でした)。