iPhoneで3Dスキャン その2

Mac/Web/WP/Mobile

続き。提示した3Dイメージが表示できないという声がありそうなので追加説明。まず、USDZファイルを扱えない環境ではもともと無理。諦めて下さい。一方、ARKitが実装されている最近のiPhoneやiPadではオッケイ。どうやらAppleが拡張現実(AR)用として想定しているのは当面iPhoneやiPad、それに先日発表されたゴーグルのVisonProみたい・・・。

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現状iPhoneやiPadなどの比較的新しいものなら問題なく表示できます。詳しくはApple自身の説明をご参照下さい。おまけに、それら機器には昨日紹介のScaniverseのような作成アプリが用意されているのでユーザーがカメラ機能を使って3Dイメージを作ることもできます。

具体的にどう表示するか。昨日の例でいえば、iPhoneかiPadで投稿ページを画面上に出し、その中のトリの画像をクリックすれば本体のUSDZファイルがダウンロードされます。

そのファイルの右肩にあるUSDZアイコンをクリックすると、(機器に実装されていれば)3Dイメージが出てきます。グリグリ回すなり、ピンチで拡大縮小するなり、写真に映る現実空間に置いてみるなり何なりとどうぞ。


さて、2冊しか見つからなかった関連和書を読むと、いろいろ興味深いことがわかりました。

その1つ、鳥海幸一さんの「フォトグラメトリの教科書」は昨年(2022年)4月出版ですが、この1年で3Dスキャンを取り巻く環境が大きく変化していることがよくわかります。たとえば紹介されているアプリの中でマーケットから撤退したものがある一方で、今回私が使ったNiantech社のScaniverseは影も形もありません。

鳥海さん曰く「今、そこ、にあるものは今しか記録できないかも知れません」、なるべく多くの遺跡や文化財をデータ保存しようという提案は3D関係者は心して拝聴すべきところでしょう。

また、坂本静夫さんの「ゼロからわかる3次元計測 ―3Dスキャナ,LiDARの原理と実践―」(2022年6月)ではiPadによる3Dスキャンの実例が載っていますが、専門書なのでご注意下さい。


先日来私がびっくりしているように、この方面におけるAppleの動きは着実です。アドビなどとの連携でUSDZファイル形式のオープンソース化が始まりましたし、つい9月にアップデートされたPages、Numbers、ブック、メモ等では既にそのままUSDZの表示が可能になっていますので、ドキュメント上でグリグリできます(お試しあれ)。こういうのはインテリアなどのデザイン分野では重宝するばず。

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おまけ)WordPressではUSDZファイルをメディアファイルとして読もうとすると、「このファイルタイプをアップロードする権限がありません。」とエラー表示が出てアップロードできません。

ほんじゃなぜ先日のページに出てきたかというと、表向きは普通のJPEG画像ファイルを用意し、クリックしたらサーヴァーの別所にキープした本体のUSDZファイルにアクセスできるような仕掛けをしているから。FTPHやSSH等でサーバーにアクセスできるなら簡単。このアイデア、ご活用下さい。