おかしな花火大会

.opinion

4年ぶりに開催予定の、びわ湖花火大会が揉めています。観覧チケットが高いだけでなく、有料の観覧チケットを持っていない人は来ないでくれと宣伝したり、有料観覧席の背後に高さ4メートルの目隠しスクリーンを設置して近隣住民に見えなくしたり、とても変。主催団体によると観覧者の安全確保が目的とのことですが、いったい何のための誰のための花火大会なのか。花火のニオイではなく利権のニオイがぷんぷん。

・・・

先日記したように今年は花火大会を見てみようと思い、某所の席を予約しようとしたら予約開始直後なのに席がないという事態に遭い、なんか奇妙に感じていました。

私が取りたかったのは比較的リーズナブルな料金の席でしたが、ネットで見ると、湖畔の有料観覧チケットは4500円、椅子席は6000円、カメラ指定席は12000円、一番高いリライニングシート席は25000円でした。また、ふだんは1泊2万円程度の近隣ホテルが1泊数十万円の部屋を売り出したりと、宿泊料金も跳ね上がっていました。驚くことにそのほぼ全部が売り切れらしい(8月6日現在)。

値段の感じ方は人それぞれですから、高くてもオッケイな人はそれはそれでいい。でも、あまりにも高い料金は関連業者の思う壺、そう考えたこちらは現地観覧を見送りました。

写真は読売新聞2023年8月4日から

花火の打ち上げにお金がかかるのは言うまでもありません。交通整理などにも人員が必要だし、お金が要るのもわかります。でも、何のため誰のためと考えていくと花火大会を目論む人たちの利権のニオイがどうしてもしてしまいます。

そういう花火大会に対し、地元自治会は反対の意思表示を打ち出しました。反対理由の1つ目は交通渋滞、2つ目はゴミと騒音、3つ目は高さ4メートルの目隠しスクリーン。1つ目2つ目は全国の花火大会共通の問題ですが、3つ目はびわ湖花火大会特有の問題。主催団体は交通渋滞の緩和を理由にしていますが、「お金を払わない」地元住民には花火を見せないと言っているようなものです。

おまけに、主催団体は「有料観覧チケットを持っていない人は来ないで」という宣伝を近畿のJR主要駅に設置。びわ湖は公共水面、決して私有地ではないのに、お金を払った者しか近寄れませんというのでは、公共地の私物化(私権利用)です(キッパリ)。安全な観覧を重視するなら、やるべきことは他にいろいろあるのではないかと思う次第です。こういう場所に私は近寄りたくないものです。

<追記>そういえば、8月1日は湖西雄琴の花火大会でしたが、ふだん1000円前後の入場料の(某ラーメン企業経営の)温泉センターが食事付きで17000円にアップ。ふだんのバーベキュー代が4000円程度とすると花火鑑賞で3倍くらいになっているような感じで、あっちもこっちも値付けがバブっています。花火とびわ湖を使った観光商いが今後もうまくいくのかどうか(疑問)。