ネマニャ・ラドゥロヴィチ&ドゥーブル・サンス

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クラシックの演奏会でここまで感動したのは初めてかもしれません。演奏者はネマニャ・ラドゥロヴィチ&ドゥーブル・サンス、場所は高崎芸術劇場。桜の開花が早まったことで秋田青森行きを諦めて目的地を変更した今年4月の旅行でしたが、その中でネマニャさんのヴァイオリンは忘れられないものになりました。

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ネマニャ・ラドゥロヴィチ&ドゥーブル・サンスは3年越しの念願でした。というのも、2020年3月の京都での演奏会のチケットを入手して楽しみにしていたのですが、新型コロナウイルス感染症対策のために来日中止となり、残念に思っていました。今年は日本公演があるというのでさっそく調べたら、関東4箇所と浜松だけで関西はなし(あらら)。

でも、既に押さえていた板室温泉の前々日に高崎で演奏会があることを知り、旅程を追加していそいそと出かけました。

肝心の演奏はというと、これがなんとも素晴らしく大感激! 演奏のたしかさはもちろんのこと、ネマニャさんが小さな美しい音でヴァイオリンを奏でると、ドゥーブル・サンスの15人が極小の美しい音でそれを包みこむ、ネマニャさんが楽しそうに演奏するとドゥーブル・サンスが楽しさに輪をかける、という感じ。

とにかく、聴いているといつの間にか楽しく嬉しくなりました。

1曲目のヴィヴァルディの『四季』はこんなに情景が浮かんでくる曲なのか~と驚く程の最高の出来。ネマニャさんを含む16人が軽快に爽快に演奏するのを聴いていると、こちらも楽しくなってきました。

一般にクラシックの演奏者は修業僧のごとく真摯な表情というか、集中した真剣な感じで演奏する人が多いような気がしますが、ネマニャさんらは実に楽しそうに演奏するのです。ここがまず素晴らしい。

また、アンコールのうちの1曲はタケダ ララバイだったので私はびっくり。だって、赤い鳥の竹田の子守歌は大好きな曲の1つだから。ネマニャさんはこの曲だけは弓を使わずピックのようなもので弾いたので、とても小さな音。でも、一音一音がはっきりと響いてきます。演奏会後に購入したCDの演奏よりライブの方が圧倒的に素晴らしかったのは臨場感ゆえでしょうか。

演奏後は、聴衆の殆どがスタンディングオベーション。こんな喝采、この国のクラシックでは珍しいのでは? ネマニャさんもドゥーブル・サンスも聴衆からの拍手喝采の中で笑顔で会場を見渡したり、手を振ったり、お辞儀をしたり・・・、最高に盛り上がった演奏会でした。

演奏後のサイン会を待っている時に今回の5箇所とも追っかけをするという方に聞いたところ、他の会場でもスタンディングだったらしい。ネマニャ・ラドゥロヴィチさんとドゥーブル・サンス、また機会があれば是非聴きたいと願う次第。オススメ!

それにしても高崎芸術劇場っていい会場ですね~。施設は広々ゆったり、吹き抜け建築は開放感あり。駅から歩道橋でそのまま繋がるアクセスの良さ、劇場隣は大容量の駐車ビル、それに1F入り口のカフェの雰囲気もマル。高崎市民を羨ましく思う次第。

以下の写真は浜松開催時の主催者側紹介のものです。