グレートバリントン宣言

health/sickness

欧米のコロナ禍が止まりません。いまだによくわからない新型コロナウイルスですが、フランス、ドイツ、イタリア、英国等々ヨーロッパ各国は感染者が再び増加傾向になり、またロックダウン(条件付き)。でも高齢者に重症者死亡者が集中している実情から考慮すると社会全体のロックダウンが得策なのかどうか。本サイトでも繰り返してきたように、被害集団への対策を重視して経済活動を再開していくという手段がなぜ執れないのでしょうか。今回紹介するのは欧米の専門家らが提唱する今回のコロナ禍への対策提言です。

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取り上げるのは、グレートバリントン宣言。発起人はマーティン・クールドルフ博士(ハーバード、感染症)、スネトラ・グプタ博士(オックスフォード、感染症)、ジェイ・バタチャリャ博士(スタンフォード、経済学)の3人。

終息が覚束ない新型コロナ禍に対して本宣言曰く、

ロックダウン政策は公衆衛生に破滅的影響を与え、予防接種率の低下、いろいろな疾患の増加、メンタルな悪化などがあり、今後の超過死亡率を上げてしまう。いま採るべきことは「集中的保護(Focused Protection)」だ。日本語訳も載っていますので参考にして下さい。

集中的保護とは、「死亡リスクが低い人々には普段の生活を許し、自然感染を通してウイルスに対する免疫を獲得するようにし、一方リスクが最も高い人々は保護するのがよい」というわけ。今までにわかった知見から考えるなら、これがベターな科学的対処ではないでしょうか(本サイトでも似たようなことを記してきました)。

しかしながら、未知のウイルスに対して過度に怯える市民、そして極度に失敗を警戒する政治家及びそれに付随する風見鶏な学者らはロックダウン政策を優先しようとしています。でも、中国などで行ったロックダウンは人権侵害の極み。また前回のヨーロッパでのロックダウンも大きな問題を残しました。そのことにまだ気づかないのはなぜか。

ジャック・アタリさん曰く、「(現在の状況は)高齢者が生き延びるために若者を働かせない社会」とのこと。まさしくその通り!。

ヨーロッパも日本も政治家とか大手企業の経営者は年寄りだらけ。そうすると、政策や施策にはどうしても年寄優先が色濃く反映されます。とくに日本では有権者が年寄りに偏っていることからもわかるように選挙の票を気にして若者の命や健康を軽視してしまいます。でも、科学的知見を軽視したロックダウンには(心疾患持ちの私でも)がっかり感があるし、若者たちにもっと怒れ!と云いたいくらいです。

既にご存じのように、ヨーロッパはまたロックダウンに入りました。今回のは学校授業を一部認めたり、飲食店は夕方までの営業を許可したりと各国様々ですが、補償のない・少ないロックダウンは経済を破綻させ、人々のメンタルまで破壊してしまいます。こんな状況では春まだ遠しというべきところ。