広島県知事の妙手・・・その後撤回

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昨日広島県の湯崎知事が「新型コロナウイルスの緊急経済対策として県職員が国から受け取る現金10万円を、県の対策事業の財源に活用したい考えを表明」しました。個人宛に支給されるお金を勝手に使うなんて、そりゃ皆に反対されてお終いじゃないかと思いましたが、よくよく考えると、なかなかこのアイデアは興味深い。あなたも知事になったつもりで、ちょっとを考えてみませんか。(追記)この知事提案は22日に撤回されました。もう少し粘って欲しかったものです。

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昨日21日広島の湯崎英彦県知事は「新型コロナウイルスの緊急経済対策として県職員が国から受け取る現金10万円を、県の対策事業の財源に活用したい考えを表明」しました(中国新聞ほか)。既に新聞テレビで報道されている通りです。

突然の知事表明に職員代表の県職組は驚き、ネットでもコメント噴出。曰く、横取りだ無理筋だという意見の一方で、「公務員は受取禁止をルール化しろ」と前から発言していた橋下元大阪府知事などもいて、様々。

湯崎知事は愚かな独裁者なのか。彼の経歴を見ると、広島県出身で東大法学部から通産官僚、その後スタンフォード大学に留学してMBA。ここまでは中央官僚の出世コースの1つでしょうか。でもちょっと違うのは、ネットサービスの一角だったアッカ・ネットワークスの創業者だったこと。知事になってからは職員の年俸制を打ち出そうとしたこともあったと聞くと、前例主義重視の役人とはどうも毛色が違います。

そんな人物が考えもなしに突飛な話をする愚か者だとはとても思えません。じゃ、いったい思惑は何か。そう考えていると、氏のアイデアの背後にあるものが見えてくるような気がしてきました。

Covid-19の感染拡大で観光産業どころか、先行き不安から市井の産業ほとんどが大きく落ち込んできたことは誰もが知るところ。非正規の職員だけでなく普通の中小企業の人たちも仕事が消え、お金を稼げないのが実情です。

それなのに、公務員の給与はそのまま高止まり。給料は民間に準ずる等というのなら、建前通り給与を2割3割減らしてもいいはずなのにそうならない。その上、国が公務員にまで1人10万円出すというのでは、まるで火事場泥棒のようなものだ、・・・と彼は考えたのではないでしょうか。だったらそのお金は基金にして感染症対策に使わせてもらおうというのが彼のアイデアなのでしょう。

お金が足りないから職員から毟り取るというのではなく、公務員も庶民の痛みを感じて欲しいという知事のメッセージが込められているような気がします。もちろん、個人宛のお金を知事が横取りするのは法令などに抵触する危険性があるでしょうから、最後は自発的な納付というところに落ち着くかもしれません。

でも私が彼の立場なら、このアイデアを職員が受け入れないのなら第二の矢を放ちます。それは公務員給与のカット。知事権限での条令提出です。本当の生活に困っている多くの市民の賛同を得られるでしょうから、先行きは興味津々です。

ということで、私は広島県知事に賛同します。とにかく、役所の危機感はあまりに希薄です。滋賀県庁なんぞは週一の出勤にするという愚策を開始しましたが、それなら給料も半分以下にして欲しい。業務が週一になったら、ホンマに必要で喫緊な保健行政はどうなるのか、心配です

皆さんも、ふだん通りの業務で給与の変わらない身分な公務員と広島県知事のどちらが庶民に寄り添っているか、一度考えてみて下さい。少なくとも、湯崎知事のアイデアは「果ての国」(非常時)の論理に適っている、と私は考えます。

(追記)この話を公務員の知り合いに話したら、本人分は基金へ、家族の分は経済を回すために地元の買い物に使うのがいいのではないかとのこと。たしかにそれなら納得の度合いも違います。