ドイツも訝る日本の感染状況

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お昼に「米国も訝る日本の感染状況」をアップしていたら、夕方ドイツの話をニューズウィーク日本版で見つけました。レポートしているのはドイツ在住のモーゲンスタン陽子さん。在日ドイツ大使館から本国ドイツへ通知されたものを基にしたもので、「同胞の手紙」として一般公開されています(ドイツ語)。

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陽子さん曰く、問題の一節は「同胞の手紙」第7号にある箇所です(以下抜粋)。

Das Infektionsrisiko in Japan ist nicht seriös einzuschätzen. Von einer hohen Dunkelziffer von Infektionen, bedingt durch die geringe Zahl durchgeführter Tests, ist auszugehen.

(日本語訳)日本における感染リスクは真剣に評価することができません。実行された検査数が少ないため、かなりの規模の未報告感染が発生していると考えられます。

その上で、ルフトハンザ航空などの情報を伝えながら、もし帰国するならどうすべきか等を連絡するという内容になっています。

上記は、前回の米国大使館の言い分とほぼ同じ。世界は日本の感染状況の説明を信用していない、との具体的例です。各国のメディアをチェックすれば、もっといろいろ出てくるかも知れませんが言語処理能力が追いつきません。

ユルユルの検疫を通過したウイルスは、一部ではクラスターとして認識されて追跡されてきました。これは比較的うまくいったと云ってよいでしょう、でも、当局が勝手に作った検査のハードルが高すぎたために、国内へ入り込んだウイルスは無症状者(サイレントキャリアー)や軽症者を経由し市中感染を引き起こしてしまいました。

この段になってクラブハウスやナイトクラブ、あるいは居酒屋だけを問題にしても解決にはなりません。たとえば、通勤電車では感染していない等という根拠なき説明を今でも信じているなら、あまりにもあなたは能天気。

おまけにイタリアの例からもわかるように特定地域だけに行動制限をかけると裕福な人は遠くへ逃げ出し、避難先で感染を広げてしまいます。ちなみに、拙宅近くの滋賀県にも、大阪から逃れて今はリゾートホテルに棲んでいるという人がいるのを数日前に知りました(なんとまぁ)。そういう金持ちがウヨウヨいる現在、今後は地方での感染報道がポツポツ出てくることでしょう。厄介なことだ。