久しぶりのMM

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柔らかい陽射しに誘われ、久しぶりにドライキャビネットからMM(LEICAのM型Monochrom)を引っ張り出し、写真をパシャパシャ。朝の陽光に映える庭の草花を自分のイメージ通りに写せると何か幸せな気分になります。

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既にお伝えしているようにMMはモノクロしか写らないカメラですが、その写り方はハンパではありません。写真を生業としない私にもビックリするような画が出せます。ホンマに凄いんです。

こちら、ふだんはQかGR使いなんですが、アーティスティックな気分でシャッターを押すときはMMを使います(個人的な作法です、念のため)。というのも、このカメラは私の襟を正し、真面目にシャッターを押そうという気にさせるから(気合いが入るともいえる)。

写真はアートかドキュメントか、と云ったのはソンタグだったかベルグソンだったか記憶が曖昧ですが、そんな二分法でわざわざ区別する必要はなく、自分が心に描いた印象やイメージを映し出すことが出来るかどうか、それがポイントではないでしょうか。精密・正確に現実を写すことを期待するのもいいのですが、それは私の好みではありません。

撮ったのは庭の草花。以下、RAWいじりではなくJPEGの調整のみで過剰演出はしていません。

まず、蜘蛛の糸に枯葉が絡まって面白い造形を作っていたのをパシャリ。何かトナカイのような雰囲気にもうすぐクリスマスだなぁと思ったりもします。また、この背景は光のダンス状態で思い通りの画になり、心躍ります。

次は赤く染まったドウダンツツジの葉っぱ。今年は昨年よりも赤みが少ないような感じ。でも、MMはモノクロなんで赤色はつきません。逆光で葉脈が浮き上がっているのを何とか収めたいと思ってたら狙い通り。MMは70cmまでしか寄れませんのでトリミングしています。

3つ目はシュウメイギク。既に花びらは落ちてしまっていますが、残り坊主がそこはかとなく面白いと思ったのでそれをパシャリ。消え去る前のアガキのような感じがしないでもありません。原画はもっと解像しており葉っぱの雰囲気がビビッドなんですが、ネット用に小さくすると普通になってしまってしまいました(残念)。

最後はツワブキ。色は真っ黄色。今年も綺麗に花をつけました。ズミクロンの50mmを使っていますが、開放のF2で写しているので花の部分と背景が分離でき、ソフトフォーカス的な雰囲気を醸し出すことができました。

ちなみに今月LEICAは1930年代の銘レンズ、タンバールを現代的に復刻させると公表しているので、そんなレンズで撮ったらもっと柔らかい感じが出せるのでしょうか。かなり気になる今日この頃です。

それにしても、こんな風に自分のイメージ通りの画を作り出すことができた時、なんと素晴らしい気分になることか。ささやかな幸せを感じる次第です。