この国は壊れている

.opinion 3.11

東電解体―巨大株式会社の終焉債務超過にならないよう政府に1兆円をせびるゾンビな東電。なんじゃこれは!
輸出産業中心の財界の言いなりになってTPP参加を進めようとする政府。そして、マヤカシ説明で食べ物の安全性を喧伝するNHK。そののひどさは度を超し、この国が壊れていることを明快に指し示しています。

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昨日は呆れてしまいました。日本国の介入で円が一気に5円前後の円安へ。これはまぁいい。そういう国家的支援策もありですからね。でも、なぜ10月31日だったのか。数日もすれば大きな国際会議が始まるから、その前のワンチャンス? いえいえ、月末日の企業会計の〆に合わせての策謀だったのではないでしょうか。もしそうだとすると、国民の血税を使って一部の輸出産業の会計数字を粉飾しただけ。この国は壊れていますね(哀)。

どういうことか。今の円高はユーロ圏のデフォルト危機に米国の債務破綻が重なり合った重層的な経済危機を反映しているわけで、一国がちょこっと介入したぐらいで状況が改善されるわけではありません。でも、企業というのは一定の期日で会計数字を採りますから、その該当日に合わせて介入すれば「その日だけは円安」の数字が得られるので業績が上がったように見せかけることができます。

昨日の介入の目的はこれじゃなかったのかしらんね〜。おそらく数日も経てば元の木阿弥では?

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東電ってなんか滅茶苦茶ですね。誰かが云ってましたが、他人の家を壊したり汚したりすれば罪に問われるのが当たり前。それが社会の常識(のはず)ですが、東電って罪に問われないんですね〜。おまけに加害者が被害者よりも大手を振って「賠償してやるゾ」的態度をとっているのを見ると、なんか社会が壊れているなぁと思いませんか。そんでもって、そういうことが話題に上ることもないのが実に奇妙。それとも東電とか原発企業は治外法権なんでしょうか。そっちの方がありそうだな。

前の社長は今の会長の娘婿で権力の閨閥化そのものでしたが(30歳以上の年齢差)、311の後「病気」になったあげく、数ヶ月後には2億円の退職金で天下り。実権を握っているという会長の方は居座り。そして賠償金の手当に1兆円寄こせと国に申し入れる厚顔さ。社員ボーナスを半額の平均40万円程度にする予定とのことですが、前代未聞の大災害を引き起こした企業の言い分とは思えません。普通の常識ならボーナスや社長の退職金なんかゼロでしょう(怒)。それが問題にならない、あるいは問題にしても仕方ないと諦めるのは、この国が壊れている証拠なのか。

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NHKの朝番組が行ったマヤカシの「安全」説明。大勢の人から非を追及された首都大・福士某の関係者が暴露したのは、実験機器が故障していた事実。それを知ったNHKはHPからデータをばっさり削除。でも「安全」説明はそのまま。なんじゃいな、これは! 詳しくは植田武智さんの説明を参照して下さい。

福士某がウソツキなのは既に触れた通りですから、さもありなんですが、NHKもしっかり壊れています(いや既に壊れていたというべきか)。どちらがより壊れているのか私にはわかりませんが、壊れた機械を使うのは危険です。触らないようにしましょう。どうしても触わらなければならない時は「取り扱い注意」で。