天然酵母のパン

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homemadebr拙宅の朝はパン食。連れ合いの希望がいつのまにか定着して約16年。それも7年前からは天然酵母を使った自作パンです。続けてきた理由は一番に美味しいことですが、素性のはっきりした食べ物の安心感というのも大切な要素です。

手前味噌ならぬ手前パン。美味しさはそこらの膨らし粉を使ったものとは全く違います。有名老舗パン屋さんの味よりもずっと上ではないかと自負していますが、まぁそれはさておき、一番の自慢は素材を選んで自分で作るパンであり、少なくとも素性がはっきりしていること。砂糖も塩も安全なものを使っていますし、保存料とか膨張剤などは一切ありません。並のパン屋さんではなかなか実現できないところでしょう。

自分でパンを作り始めて思うことは、市販のパンがパンとは全く思えなくなったことでしょうか。パリの街角でパンを食べたことのある人ならわかるはずですが、あちらのモノはパン粉の香りがして実にうまい。日本のモノは保存料なのか添加剤のせいなのか知りませんが、触感が柔らかすぎて異様ですし、少し時間がたつと変な臭いや不味さが際だってきます。

brd大量生産パンにいたってはパンの形をしただけの別物としか思えません。あれがパンだと思っていると、逆に本場フランスパンは固くて食べにくいと思ってしまうかもしれません。(ただし、日本でもちゃんとしたレストランやそこに卸しているパン屋には優れたものがあります、念のため)

拙宅パンの内容について少し紹介しておきましょう。
パン粉は本来なら完全無農薬の小麦粉を使いたいところですが、いくつかの点で障壁がありました。まず、完全無農薬という製品がほとんどない。一時日本製のモノでそれを謳ったのがありましたが、必ずしもそうではないことが明らかになったのか、現在では完全無農薬の看板をはずしているようです。不完全でもその安全な粉を使うという手もあるのですが、これが天然酵母との相性があまり良くないのが2番目の問題。あまり膨らまずに相当固いパンでも食すという人にはいいかもしれませんが、私はそれを選びませんでした。ある程度は膨らんでくれて、それなりに柔らかい(固い?)、一応パンとしての性質をもったものを食べたいですからね。そこで、酵母との相性チェックのため5,6種類のパン粉を試した結果、今使っているのは業務用フランスパンの粉です。

作り方はホシノ天然酵母を使うことを重視し、それに合った2段階発酵を採用しています。まず、酵母を前もって起こしておくことが最初の作業ですが、だいたい1日程度の時間がかかります。毎回これではたまりませんから、3回分くらいの酵母を起こして冷蔵庫にしまっています。

次は一次発酵。パン粉半量と酵母を合わせ、約4〜5時間。この時発酵促進に砂糖を入れています。一次発酵の後に砂糖を入れて二次発酵を助けるというやり方もあるようですが、温度管理が大雑把な拙宅では砂糖は一次発酵に入れる方がベターなようです。

こねた粉が液状化し倍量超になって酵母に活気が出てきたら、残りのパン粉を合わせてこねます。当初手こねでしたがこれも面倒。パンこね器でも買おうかなと思っていると、家で遊んでいた電動餅つき器で代用できることに気づき、これを使用しています。ここでお塩やこれまた無農薬の干しぶどうなどを入れます。それを成形ケースに詰めて二次発酵を待ちます。温度にもよりますが今の時期ならこれまた4時間程度で3倍量以上に膨らんできますので、後はそれをオーブンで焼きます。ちなみにうちの焼き設定は200℃、25分。これで美味しいパンの出来上がり!

パン作りにはいろいろと苦労と工夫がありまして、それなりに拙宅仕様のノウハウや道具!?もあります。安定した品質を作り出すまでに数年はかかったような感じもしますが、それもまた愉しみのひとつ。挑戦される人は、それぞれの家庭の状況や事情に合わせて試してみて下さい。安全安心は自分で捜して手に入れるものですね。