家を建てて7年半

.EcoStyle

自宅を建て住み始めて早7年。設計がうまくいったり、思惑があたっていた面と、一方で考えが足りなかった点や考察すべきだったことも明らかになってきました。今年それらを整理していこうと思っています。その予告ではありませんが、項目だけちょっと列記してみましょう。

うまくいった点。
まず何よりも、自分ら夫婦にとって住みやすい、そして納得のできる家になったこと。家の仕様や性能ではなく、もっと広い意味での話です。説明するのが非常に難しいのですが、家づくりの根幹に関わることのような感じなので、いずれ整理してみたいものです。

仕様や性能でいえば、木材を多用し土壁作りの家を作った点。合板を1枚も使っていない家だったので建築に手間取り、コストもかかったのは事実ですが、それを超える利点が多かったような感じ。雰囲気や暮らしやすさだけでなく、いろんな面でプラスとなっています。

併せて、炭化コルクの断熱材が比較的よく効いていることもあり、エアコンなしの夏が実現できました。また、冬期の暖房エネルギーも少なく、小エネの家となりました(省エネではありません)。追々データで示してみようと考えています。

ソーラー発電や温水装置もマル。当時は酔狂人の遊びみたいな云われ方をされていましたが、この愉しさは使ってみないとわからない。また、この愉しさが日々のエコライフをサポートするのですから不可欠の面白みというべきでしょうか。

とくに、わが家の雨水利用は大正解。流し込みのお風呂に1回260㍑もの大散財(大散水?)をするにもかかわらず、水道代はほとんど基本料金クラス(夫婦2人)。これはトイレ水洗水に水道水を一切使わないおかげです。従来の雨水利用では「水道水に雨水を混ぜているだけ」のトイレ水洗水がほとんどで問題ありですが、拙宅は風呂の残り水を使うことでこれを乗り切りました。

その他、こだわった点もそれなりに「結果」を出していて、全体としての住みやすさを醸し出しているようです。細かいことをいえば、外壁タイルをキッチン壁に採用した点やカーテンがないこと等の利点は当初の狙いが良かったことを実感させてくれます。高野槇のお風呂は最高ですし!、障子の効果も抜群。いずれこれらもまとめて整理しようと思っています。

では、うまくいかなった点、あるいはちょっと考えが足りなかったと思われる点は何か。

まず、間取り。考え考え抜いたつもりだったのですが、やはり住み始めてわかること多し。あれこれ考えるよりもスケルトンの構造を第一に考える方が良かったかなと後になって考えたりします。

暖房方法や換気の問題にも読みが足りませんでした。拙宅の1F床は床下に断熱材をはめこみましたが、床断熱は基礎部分から考えた方がベターだったかもしれません。これは検討が足りませんでした。また、換気についても空気の流れをもう少し熟考すべきだった点が後になってわかってきました。とくに冬期のお風呂場カワック換気については設備仕様を読み間違えたために吸気口の設計にミスがありました(私がアホだった)。

さらにいえば、エコスタイルとして生活様式の読みが甘かった?点。
わが家ではミミズコンポスト等を使って生ごみを一切出していません。紙類もできるだけ古紙回収に回しますし、今年からビニール類も容器包装何やら法でごみにしなくて良くなりました。それはそれでマルなのですが、もしこのライフスタイルを的確に読んでいれば、ごみの置き場所やコンポストとの関連設計をもっと真剣に考えておくべきだったかなという気持ちもします。これは、ある意味ゼイタクな悩みなのかも。まだまだいろいろありますが、以下省略。

家を建てる時、できあいの家を「買う」人もいれば、それでは満足できない人もいます。建築家に助けを求める場合もあれば、自分で勉強したり、工務店と相談しながら納得のいく家づくりに励む人…、人それぞれでしょう。
その家を建てる前の情熱は建てた後には薄れるせいか、あるいは諦めるせいか?!、住み始めてからの話はあまり出てきません。商業的にも成り立たないからという実利的な面もあるのでしょうが、当初の設計や仕様がホンマに良かったのかどうかは住み始めてからでないと検証できません。

検索などを使って本サイトに訪れる方々の約半分が家づくりにご興味ある人たちであることに鑑み、今後住み心地や設計検証の可否についても追々触れていきたいと思います。期待せずにお待ち下さいまし。