埼玉プール事故:なかなか出てこない事故調査報告書

プール事故

ふじみ野市のプール事件、事故調査委員会報告がなかなか表に出てきません。今月6日に委員長が市教育長に報告書を手渡したとの報道はありましたが、その後議会等に提出してから公表するとかで、外部の者からは中味がさっぱりわかりません。
(追記)17日午後の報道で市議会に報告との話でしたが、その内容はどうやら全くのハズレのようでした。

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委員会の傍聴をしていた人からの話によると、委員の中からは「専門家ではありません」とか「捜査権限はありません」等という消極的かつ責任感の希薄な声がでていたとのことですから、内容は推して知るべし。また別の人が取材したところ、埼玉県保健所の責任については不問にしているようだし、危険なプールを作った工事担当者らについては過去の責任は問わないなどと市長が前振りをしているとか。出てきたら読んではみようと思いますが、当該事件の業務上過失致死罪の立件対象となっている市幹部が実施した事故調査という面から考えても、内容にはほとんど期待はできそうもありません。

既にマスメディアでは過去の話となりかけている事件ですが、プール関連雑誌には今回の事件についての解説や批判が出始めています。私の手元にあるものでいえば、

・月刊スクールサイエンス 8・9月合併号 (環境工学社)
 「ふじみ野市のプール事故を慎んで」 関秀行
・クラブパートナー 2006・9月号 10月号 (体力健康新社)

があります。前者はこのHPでも何度もお名前が登場しているプールコンサルタントの関さんのお書きになったもの。私の調査を下敷きにして関さんが追加したものを披露されています。後者は以前「体力健康新聞」だったものが新しく月刊誌になったもので、今回の事件について業界側から問題点を提起して解決の道を探っています。

その他、いくつかのインターネットサイトを紹介しておきましょう。

ふじみ野市のタウン情報 教育/行政・施策の掲示板

すみずみレポート ;ふじみ野市会議員(共産党)

鈴木啓太郎Blog;ふじみ野市会議員

ふじみ野市のタウン情報はマスメディアに載らない貴重な情報源。一方、市会議員らの話は内部情報があり面白いのですが、党派が違えば話も見方も全く変わってきます。忌憚なく云えば、プール被害者の立場にたった議論というよりも、プール事件に乗じた議会内政争の感じがします(残念)。

(追記)読売新聞2006年10月17日14時3分 によると、ふじみ野市の事故調査報告書では「職員が現場に行って安全確認を行っていれば、事故は起きなかったはず」等とまとめており、プール吸排水口事故の原因調査とは名ばかりのトホホ報告になっている模様です。中味を全部読んでから最終判断をしたいと思いますが、報道を聞く限り、私たちの指摘を無視するだけでなく、過去の事件をも踏みにじり、被害者やその家族の期待も裏切る内容ではないでしょうか。