メディアを疑う健全さ

.Lowcarboあるいは糖質制限

ume1303破綻する日本糖尿病学会の続きです。
ここ10数年で欧米で認められてきた医学的知見を無視する日本糖尿病学会の提言。彼らの頭が悪いのか・固いのか、それとも旧来の利権構造がおいしくて手放したくないのか、私にはわかりません。それとも、TPPで話題化されやすい米(コメ)作保護を念頭に良いタイミングだからと、糖質制限を貶めそうとしているのでしょうか。いずれにしても、患者にとっては福音ともいえる世界の潮流から孤立するかのような見解に唖然とします。

厄介なのは、そういう権威筋に追随するNHKなどのメディアの存在。先日来書いているように、ここにも原発安全神話というマヤカシ定着化に努めてきたテレビや新聞の問題が潜んでいます。

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現在、米国で糖尿病になって医者にかかると、糖質(炭水化物)摂取の危険性について教えられ、食べ物の糖質内容についての冊子や資料を紹介されるそうな。また、米国の大都市では、マクドナルドなどのファストフード店にも低カーボンメニュー(糖質を制限したメニュー)があるらしい。英国でも糖質制限が治療メニューとして文書化されています。一方で、糖尿治療もガラパゴス化していくこの国に私は呆れてしまいます。

さて、メディアの報道責任について。
一般に意見や主張、提言などを報じる場合、それについて異論があるのであれば、反対意見も載せてバランスをとるのが日本のメディアの特徴です。どちらにも与しないという立場は中立性を装うだけなのかもしれませんが、それは一応横に置いておきましょう。

今回の日本糖尿病学会の提言については反対意見の紹介はありませんでした。糖質制限は雑誌や一部のテレビなどで取り上げられ有効性なども紹介されているのですから、NHKや大手新聞が知らないはずはありませんが、既に糖質制限に取り組んでいる医者や患者さんらのコメントもなし。一切それらを無視して権威筋の学会提言だけを流したのは「大本営発表」と同じです。

NHKが御用機関であることは、3.11で始めてわかったという人もいるでしょう。でも、昔からといえば、まさにその通り。原発問題だけでなく、がんや糖尿病治療でもそうだとすると、他のもろもろについても疑った方がいい。「コレステロール悪玉説」や「メタボ検診」の背後にある思惑についても要注意。権威筋の話を鵜呑みにしていると足をすくわれますが、それをタレ流すメディアについても同じく警戒しておく方が無難です。

NHKといえば、放送姿勢に疑問を呈していた堀潤アナウンサーが退職するとのニュースが数日前に流れていました。彼はTwitterで「国民の生命、財産を守る公共放送の役割を果たさなかった」NHKの責任を問う発言を行っていたのですが、退職はその延長線上にあるのでしょう。

マスメディアのSPEEDI関連の情報秘匿・隠匿を批判し職を辞すのは朝日新聞の添田孝史デスクに続いて2人目?。まともなジャナーリストの門出に幸あれ、と願うばかりです。

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