米国は全体主義国家になったのか!
2025/04/06
トランプ大統領の横暴は留まるところなし。関税などの経済施策だけではありません。イスラエルに少しでも批判的だと反ユダヤ主義のレッテルを貼り、留学生なら国外追放するという暴挙に出ています。不法移民ならいざ知らず、正規の手続きで入国した留学生やグリーンカードを取得している合法移民まで国外追放を行うのは明らかな法律破りで異様です。そんな暴挙がまかり通る米国は自由主義国家と云えるのでしょうか。
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2023年10月にハマスがイスラエルを攻撃したと報道されていますが、そのハマスに対して倍返しどころか百倍返しとも云える過剰な攻撃を繰り返すイスラエル。その軍事行動は国際的に問題とされており、国際刑事裁判所(ICC)はイスラエル首相ネタニヤフ氏に逮捕状まで出しています。ところが、トランプ政権は親イスラエルなので今年1月29日、「反ユダヤ主義と闘うための追加措置」とする大統領令に署名し、反ユダヤ活動に加担した外国人教員や留学生らに対して「必ず見つけ出し国外追放する」と放言しています。つまり、正規の手続きを経て入国し永住権やビザを持っていても、反ユダヤ主義と見做されると国外追放というわけです。これは異常事態。
トランプ就任以前からユダヤ系財閥や超富裕層は著名大学に寄附金打ち切りを仄めかし、学内デモを認める学長らを辞任に追い込んできました。しかし、トランプ政権は大学に対する国の補助金まで打ち切るという方針を打ち出しました。その一方で、デモに参加した学生たちが拘束されたり国外追放されたりと大変な事態に発展しています。
驚いたのは、デモ隊が自宅付近にいたため家に入れなかったところを目撃されたインド国籍の女性がデモ参加と見做されて拘束拘留され、学生ビザまで剥奪されたとのこと。フルブライトでコロンビア大学に留学していて大学院で博士号を受領する直前だったらしい。もうメチャクチャ!
イスラエルに批判的な言説や行動をとると全て反ユダヤ主義になるのなら、ユダヤ・イスラエルの絶対的無謬性を前提にしていることになります。まさにこれこそ全体主義。イスラエル国内でも批判的な声を上げる人がいますが、それらも反ユダヤ主義として弾圧されています。
大学だけではありません。ユダヤ資本を金主(スポンサーというより金主とする方が禍々しさが出ます)とするハリウッドでもイスラエル批判は御法度で有名俳優がパージされているのは既に報道されています。音楽分野でもトランプ批判のミュージシャンの入国は排除されているようで、ニール・ヤングはいったん国外ツアーに出ると米国に戻れないかもしれないと心配して世界ツアーを中止してしまうし、テイラー・スイフトもおそらくヤバイ目に遭いそうな情勢です。
ハマスにしろイスラエルにしろ、酷いものは酷い。ハマスやイスラエルの残虐性について意見を言ったりデモをしたりするのは言論の自由だと思いますが、現在の米国はまるで全体主義国の言論統制といっしょ。トランプになってから米国には言論の自由がなくなったのか。敵性外国人法まで復活とくれば、次は米国人以外の者の財産没収に繋がるかも知れません。もし私が現場にいたら、デモに参加して拘束・勾留・国外追放か、留置所で憤死するかもしれない・・・と思うとゾッとします。
一方で米国内の報道をみると、米国各地でトランプ退陣デモが広がっているとか。今の米国ではデモに参加するのも相当の覚悟がいりますが、参加者に遠くからエールを送りたい。今のうちに食い止めないとヒトラーやプーチンが支配する国と同じようになりそうで恐ろしい(ホンマに)。