ヒューマンコンポスト

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コンポストとは堆肥、または堆肥作りのことを云います。大がかりなものから家庭レベルの小規模なものまでいろいろ。コンポストやってますか? 拙宅では1990年頃から生ごみコンポストに取り組んで既に30年以上。そのコンポストをめぐって厄介な、というか考えさせられるニュースが米国から流れてきました。それは・・・

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拙宅では生ごみをミミズコンポストへ回しています。以前は木桶コンポストなどにもトライしましたが、出来上がりのクオリティはミミズコンポストが桁違いに上質です(年に何回か取り出して活用)。日本でもやっている人がチラホラおられるのではないでしょうか。

そのコンポストをヒトの遺体でもできるようにしたのが米国での話。ここ数年来、ワシントン州、コロラド州、オレゴン州、そしてカリフォルニア州、バーモント州で合法化されていますが、倫理的な問題を含め極めてセンチメンタルな話題であることに間違いありません。

ヒトの遺体(死体)は有機物なので、そのまま微生物分解させることができます。土壌化して大地に戻すことは理論上は可能です。でも、倫理的な問題は別。先進的な米国でも市民の間ではやはり論議を呼んでいるようです。

CBSニュース 2023年1月2日

そういう中で、今年2023年の年明けにはニューヨーク州でも法制化とのニュースが流れてきました。法制番号A382は以下の通り。

A382 (ACTIVE) – Summary
Provides for the creation, operation, and duties of natural organic reduction facilities as cemetery corporations for the contained, accelerated conversion of human remains to soil.

勝手訳をすると、「遺体をすみやかに土壌還元するために、葬儀法人の自然有機的な土壌還元設備の創設、運営、義務規定を提供」するということ。

火葬に要する燃料などの資源消費を考慮すれば、燃やしてしまうよりコンポストにする方がベターという考え方もあり。それを土壌に戻すなら尚良しというロジックが米国では出てきたのでしょう。でも、米国でも一般的に拡がるかどうかは不明です。

まるでSFの世界のようですが、私は賛成。親や家族の遺体をコンポスト化して土にして花卉を育てるというのは、それこそメモリアルフラワー(ツリー)じゃないですか。

ところで米国では遺体のコンポストという話題が出てくること自体、コンポストが一般に広がっている証拠。コンポストそのものが一般化していない日本の場合、一足飛びにそんな話が出てくるとは思えません。また、お寺や葬儀屋、墓地という名の不動産屋さん等々、葬式産業の利権いっぱいな日本でこんな話が出てきたら、いったいどんな展開になるのか、ちょっと気になった新年のニュースでした。