アジサイ 三景

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この時期、拙宅の近所でもいろんな所にアジサイの花。全国どこにもアジサイ寺というのがあるみたいですが、関西なら三室戸寺が一番有名かも。そんなアジサイについて三つ取り上げます。

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高齢者へのワクチン接種が進んできたせいか、大阪などの感染蔓延をよそに関西の観光地はそれなり。京都のデパートは昨年に比べると人出が多くなってきたし、地下鉄内の高齢者比率が上がってきた感じがします。ということで紫陽花の話。

まずは一昨日に続き、三室戸寺。京都の南、宇治市の山間にある小さなお寺ですが、この時期になると境内横の谷間にある紫陽花園に関西一円から観光客が訪れる有名処です。

8時半開門ということでいそいそ出かけたら、既に9時15分頃には広い駐車場がほぼ満杯。なんや、この人出は! 大阪、なにわ、奈良、神戸、岐阜、愛知等々、京都や地元宇治以外のナンバーが目立つのは感染蔓延地域から逃避してくる人たちが多いせいでしょうか。(まぁこちらも滋賀ナンバー)

お寺の境内は階段を上った処ですが、紫陽花園は南側の谷間です。湿気と陽当たりがうまく噛み合っているのか、紫陽花が見事に咲き誇っていました。紫陽花寺というだけのことはありますな〜。

二つ目は京都の旧三井家下鴨別邸。京都で三井といえば小石川三井家で、あの「びっくりぽん」広岡浅子さんの生家。もともとは三条木屋町辺りにあったものを下鴨に移築したとのことで、現在は市の重要文化財で観光協会などが運営しています。

こんな処にお庭があったんかいな〜と夫婦で出かけたら、一般公開は2016年前後から。学生時代に前を通っても知らなかったはず。それはさておき、

お茶席をお願いしたら、一保堂の抹茶とともに出てきたのは「彩夏」と銘打った鶴屋吉信さんの生菓子で、見たままの通り紫陽花をイメージしたもの。色合いだけでなく透明の寒天粒で雨露や朝露の雫までついている芸の細かさ。

生菓子は季節の表現がメインと思っていましたが、こちらは甘さ控え目で味わいも良し。最近は和菓子のトレンドも変わってきたのでしょうか。どっちにしても美味しいものはマル。

三つ目。私たち夫婦の最近一押しの日本料理は奈良にある白(読みは、つくも)。今年1月に再訪し嵌まってしまいました。そのお店が6月にならまちへ移転したので、早速また出かけてきました。

入り口の開店お祝いの胡蝶蘭が白一色なのは送り主たちの洒落なのか。その中に奈良出身の某映画監督の名前があったので店主に尋ねると、昔俳優していましたとの冗談につい騙されました(笑)。

いつもながら美味しいお食事ですが、その中にあったのが紫陽花です、と出てきたお料理。茄子をベースにオクラやブロッコリー、セロリなどを和え、小さな花をあしらって今の季節を表現したもの。食べるのが勿体ないくらいですが、味わいもマル。見た目では雲丹はいらんかなと思いましたが、口の中で野菜との味わいが一体化されたのは流石。口福なひとときでした。

以上、紫陽花三昧、いや三景でした。