地元で新町長・・・
2003/10/20
私の住む滋賀県志賀町で町長選挙が昨日行われました。マスコミ報道では県当局の産廃施設計画に反対する候補が勝利したという話になっていますが、これは正確ではありません。私の見解は 以下の通り です。
(掲載サイトを閉じてしまったため、改めて以下に記しておきます)
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TITLE: 新町長は決まったが・・・
DATE: 10/20/2003 02:28:40 PM
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昨日10月19日の志賀町町長選挙で新町長に山岡寿麿氏が当選しました。新聞などでは、産廃反対派の勝利と報道されていますが、本当でしょうか。
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(以下は世話人・有田一彦の見解です)
前町長である北村正二氏は、滋賀県が計画する大型広域産廃施設計画を推進してきました。今回の選挙では、県の説明責任の不備を訴え、住民の理解・納得がなければ計画は進めない、とトーンダウンを装いました。でも、「住民の理解・納得」とは町議会(推進派が多数を占める)での決定のことだ、と以前本人が説明していましたから、いくら粉飾しても北村氏は産廃計画推進派です。
一方、今回当選した山岡寿麿氏はどうでしょうか。「県に計画撤回を求めていく」と言明しているものの、一度も計画に反対だとは表明しませんでした(チラシにも公約にもそういう記載はありません)。驚いたことに山岡氏は、立候補時の記者会見において「産廃施設は志賀町にはいらない。どこか別の場所で進めてくれ」という趣旨の発言をしました。また、ごみ焼却場については、「どこかに作る必要がある」とし、国や県が進める大型広域産廃計画を容認する発言まで行いました。これが本当に産廃反対派の発言でしょうか。要するに、迷惑施設は志賀町以外で作ってくれというだけではないですか。この山岡氏の記者会見の話を聞いて、私は失望を深めました。
大型ごみ焼却場が志賀町にとって危険な施設であるのなら、「どこか別の場所」の人たちにとっても同じく危険な施設です。志賀町の未来の子どもたちに悪影響があるなら、「どこか別の場所」の子どもたちにも悪い影響はあるのです。「どこか別の場所に行ってくれ」ではなく、危険な施設はやめてくれ、絶対に反対だと何故言えないのでしょうか。他のところへ行ってくれという発言が、いかに人権無視で恥ずべきものなのか、きちんと考えていただきたいものです。
山岡氏の「あっちへ行け」という考え方は、実は、住民ネット(志賀町産廃施設計画問題・住民ネットワーク)の幹部らが以前から公的な場で繰り返し発言してきたものと同じです。これらの人たちは、国や県のごみ処理政策は云々しない、でも志賀町に施設を作られるのはイヤだ、というだけです。煎じ詰めれば、大型広域産廃施設計画については容認派。「産廃反対派」というよりむしろ、「別の場所なら容認派」というべきところです。したがって、今回の選挙は、産廃推進派と反対派が争ったのではなく、志賀町で推進する派と志賀町以外で作ってくれ派の戦いだったというべきところでしょう。
選挙の結果、町を二分する僅差で、産廃施設は他の場所でやってくれの、山岡氏が当選しました。ごみ問題の本質を問わずに、ごみ問題をネタにして権力を握った山岡氏と、共産党及びそのシンパを中心にする取り巻きが、これからいったい何を始めるのか。地域エゴから脱皮できるのでしょうか。いや、脱皮してもらわないと困ります。
山岡氏はごみ問題を一から勉強して、国の広域ごみ処理政策に真摯に立ち向かっていただきたい。公人たる町長になったからにはマヤカシやゴカマシ、言い逃れは許されません。襟を正して尽力してほしい。そして、全国でも例をみない「地域エゴを公言して当選した恥ずべき町長」の汚名を撤回してほしいものです。
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