やくざと臓器移植

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前回の続き。ネットで「やくざ 腎移植」とググると、過去の事件がいくつか出てきます。事実は小説よりも奇なりというところでしょうか。「一匹ゴキブリを見かけたら10匹はいると思え」というゴキブリの法則を援用すれば、臓器移植にはかなり裏社会の関与がありそうです。

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腎移植とやくざの関わりといえば、2009年の「生体腎移植臓器売買仲介事件」がまず検索にヒットします。この事件は慢性腎不全を患い人工透析に負担を感じていた医師が暴力団を介して腎臓を手に入れたというものです。ドナー男性と虚偽の養子縁組を行い腎移植手術を受けたのですが、やくざとの報酬をめぐって揉めたことで事件が発覚したらしい。(出典はWiKi

正規の移植ルートではなかなか順番が回ってこないのに悲観したのか、医師だからこそ実態を知り尽くしているというべきなのか、禁断の臓器売買に手を出してしまったというわけです。ただ、やくざの介入とか医師の違法行為という面だけで見てしまうと、多くの患者さんが比較的容易に腎移植できる医療体制の整備こそが大切だという話には行き着きません。

新しいところでは2015年に発覚した腎臓売買の事件。こちらもやくざが介入してウソの養子縁組をでっち上げた事件。指定暴力団住吉会系のやくざが路上生活の男性から200万円で腎臓を買う約束をしていたというのですが、ネットでググるともっと高額な相場が当たり前のように出てきますから凄まじい。

サンケイ新聞 2015/07/21より

どちらにも登場するのはニセの養子縁組。ドナーが見つからない・待っても順番が回ってこない、人工透析は堪えられない、早く移植手術をしたいという患者さんの切ない期待を利用するやくざビジネスの手法です。

また、最初の手術を行ったのが宇和島徳洲会病院だったことから、警察筋だけでなく医療筋からも睨まれてしまい、同院が行っていた修復腎移植を潰そうという動きに利用されてしまいました。その後、修復腎移植はお上がオッケイした大病院で臨床研究という名目でなされることになりましたが、その時の学会ボスが現在ヤクザとの付き合いで話題になっている京都府立医大病院長である吉村了勇氏。

もう1つおまけ。腎移植ではありませんが、やくざと臓器移植とくれば、後藤忠政(以下、敬称略)を取り上げないわけにはいきません。2000年~2004年に4回、広域暴力団後藤組組長の後藤忠政らが米国FBIの助けを得てUCLAメディカルセンター(ロサンゼルス)で肝臓移植を受けたという件です。

後藤組は伊丹十三襲撃事件などに登場しますが、糸山英太郎などと並んで当時JALの大口株主(!)。日本社会の裏と表が実は一緒くたというのを体現したような存在ですが、そのやくざをFBIが手助けしたというから尚更凄まじい。FBIに日本の暴力団情報を売った見返りとのことですが、真偽は不明です。また、有名なUCLAの執刀医は相手がやくざだと知らなかったとのことですが、順番待ちを早めたというウワサを聞くと社会の闇を感じざるを得ません。

そんなこんなで腎移植・臓器移植は医者もやくざもお互いの関係はズボズボ。京都府立医大の事件もそんな醜悪な社会の氷山の一角が水面に現れたということなのでしょう。やくざと大病院との不正なお付き合いという程度の話ではありません(きっぱり)。