体脂肪減で体重減
2016/12/13
ダイエット流行りの世の中。あれやこれやトライして結局は元の木阿弥、という人がたくさんいるんではないでしょうか。でも、炭水化物をできるだけ摂らない糖質制限なら確実です。私がその一例。際限なく体脂肪を消費すると体に悪いのではないかと最初は心配していましたが、それは杞憂でした。そのことを4年間のデータで示しましょう。
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バナナやココナッツ、はたまた何とか茶等々、ダイエットの話題は尽きません。科学的根拠がないのに安易に飛びつく人が後を絶たないのは、どうしても痩せたいという欲求が強いからでしょう。誤解のモトはなぜ太るかという基本的な理解が欠けているからではないでしょうか。
まず私の体重変化を以下に示します。義理の母から誕生日のお祝いとして体重計をプレゼントされたのが2004年。それ以来機会ある毎に測って記録してきました。測定は夜の入浴前がほとんどなので私のケースでは夕食後。空腹時ではなく、夕食の多寡で変動するわけですが、測定のしやすさを重視して今に至っています。
これを見ると、2004年〜2006年の私の体重は70kg超。私の身長は168cmですからBMIは約25。当時のウエストサイズは91cmのズボンを買うくらいのお腹タポタポ状態でした。その私が2006年9月頃から時々心臓に痛みを覚えるようになり、つれあいの強い勧めで病院に出かけて即入院&手術となったのが10月末。レントゲン透視映像でみると心臓冠動脈は心筋梗塞一歩手前の詰まり具合でした。
カテーテルでステントを入れて何とか命拾いした後、心を入れ替えて食事の見直しと散歩の徹底を開始。歩くといっても1日1万歩はなかなかなので6000歩程度をルーチンにしました。食事の方は少なめ、ご飯は椀一杯それもできるだけ少なめに。一方、野菜を増やしバランスのよい内容にすることに努めました。
その効果があってか2007年〜2008年は体重が65kg前後まで低下。その後次第にまた70kg近くまで上がってきました。歩行や食事は継続していたのにいったいなぜなのか。こちら座りぱなしが多く運動不足気味なのは確かですが、毎日歩いているし食事も抑え気味なのに何か納得できません。
そんな中、2012年になって食後血糖値をたまたま何度か測ってみると、以前にも増して急激に上昇している事が判明。いわゆる血糖値スパイクです。過食を控えただけでは問題解決にはならないみたい。こりゃアカンぞ。このままじゃまた心臓が詰まる、今はまだ糖尿病の診断基準を満たさないけど、いずれ突破して合併症に繋がるかもしれない、そんな懸念が出てきたわけ。正直言って目の前真っ暗、あまり長くないかなとも思った位(笑)。
そんな時本屋の店先で京都高雄病院の江部医師が書かれた 高雄病院の「糖質制限」給食 という本を見つけました。パラパラめくってみると目からウロコ、炭水化物を食べなければ血糖値は上がらないという記述にはこれこそ探し求めていたものだと小躍りして何度も読み返したのです。
そんな糖質制限の話を連れ合い(小児科医)に伝えると、「炭水化物を減らすという発想は考えてみると理に適っている、とりあえずやってみたら」との賛同を得ました。そこでとりあえずご飯パン麺を減らすことから始め、1ヶ月後には原則止めるまでに本格化させた次第です。
その結果、食後血糖値の急激な上昇はなくなり、HbA1cが改善したのは既に触れた通り。体重は1年も経たずに60kg以下へ。その後アップダウンはありますが、少しずつ減っていき現在は56kg前後、BMIは約20です。ウエストサイズは91cmのズボンから76cm〜79cmのサイズが入るようになりました。また、首回りは以前41cm近くあったのが今では38cm。これまで脂肪の襟巻きつきだったことにびっくりします。
ただ皮下脂肪はそれほど減っていないようなので内臓脂肪がなくなってきたみたい。そして何より嬉しいのは体調が快適になったこと。体重が減った分身軽になったせいか、近所の80段階段も駆け足で楽々上れます。素晴らしい!
さて、糖質制限では体内の水分が減るだけだ等と云う医者がいますが本当でしょうか。次に示すのは私の体脂肪率の推移です。ただし、ここでいう体脂肪率とはオムロン体組成計で測定した簡易的なものです。
測定開始が2010年秋なので先のグラフとは横軸が違いますが、それでも糖質制限前後の変化はわかります。理論上、体脂肪の測定は水分量の多寡で変わってきますのでアップダウンは仕方ないとしても、糖質制限を継続していくことで、体重が減っていくのと同じように体脂肪率も減っていることがわかります。
このデータと先のウエストサイズやネックサイズという具体的物理的なサイズ縮小と合わせると体脂肪が減っていることはまず間違いないといえましょう。余分な皮下脂肪はまだまだ残っているので体重や体脂肪率が安定するまで時間がかかるのではないかと考えています。
ところで、私の糖質制限は体重減、いわゆる痩身ダイエットが目的ではありません。何度も繰り返してきたように食後血糖値の急激な上昇を抑えるため。日常的にスパイクが続けばいずれ血管を傷つけ面倒な合併症を引き起こすから、です。上で示した体重減は結果としての副産物みたいなものですが、45年前の中学生の時の体重に戻ってみると曰く言い難い爽快感があります。若返ったとは思いませんが、人生また再出発的な気持ちになるのはオツなもの。
最後に一言。最近東大病院が食事の炭水化物を少し減らしたとか報じられていますが、糖尿病になってしまった者やその境界にいる者、つまり膵臓機能に問題がある者にとっては、少しくらい炭水化物を減らしてもあまり有用ではありません。そのことは私の2006年から2012年のデータから窺えます。ご注意下さい。