右か左ではなく 上か下

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今年6月英国は国民投票でEU離脱を決定。離脱派51.8%に対し、残留派48.2%(投票率約72%)の僅差でした。この結果が英国にとって良いのかどうか、もっとリアルに云えば得なのかどうか。先日興味深い、というか私があの時感じたピッタリを記したコメントを発見。あの投票は英国が「上と下」に分断されてきた結果、だという話です。

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英国のEU脱退。離脱なんかあり得ないと残留派がタカをくくって油断したこともありますが、離脱派によって様々なウソやゴマカシがなされてきました。最たるものは離脱派が云っていた「英国からEUへ多額の拠出金が支払われており、脱退しないと損だ」というものでしたが、その見返りで英国側へかなりの補助金でキックバックされていることは隠されたまま。投票後に離脱派幹部がその事実を表明しましたが、離脱に賛成した人が怒っても後の祭り。

その後英国通貨のポンドはどんどん安くなり、最近もまた大きくドロップしています。年内に米国の金利が上がるので(予定)、さらにポンド安は進みそう。そんな中、面白い発言に遭遇。タイトルは、在英保育士でライターで「移民」 ブレイディみかこさんが見た日本の違和感【発信の原点】。

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曰く、日本のメディアでは「地べたから見た英国」を伝えきれていないという違和感を感じていました、とのこと。メディアの駐在員は高々3~4年の滞在、現地のコミュニティに根を下ろして生活するわけではないので地元目線を知ることはできないというわけです。

そういう彼女は先の国民投票に関し、

EU離脱の報道も誤解されて伝わっていて、『下層のバカが血迷った』と言う人もいましたよね。経済問題が絡んでいるんだよ、というのを日本の記事ではうまく伝えられていなかった印象です。あれは切羽詰まった賭けだったのだ、という労働者目線の報道がなかったように感じました」

というのは納得です。だって合理的に考えれば英国はEUから離脱しない方がお得なんですが、それは上層階級の理屈といえばその通り。彼女の言い分は続きます。

近年、難民問題でアイデンティティ政治が取り上げられて、内と外はよく言われますが、下側のやむにやまれぬ怒りや、『下についた左もいたが、EU離脱に票を入れた左もいた』ということは伝わっていません。
今は右と左ではなくて、『上と下になってきている』ということが伝わっていないんですね。そういうことを日本に投石していきたい。『ひと昔前の右と左とは、変わってきている』と揺さぶりをかけたいんです」

とのこと。日本でも連合のような組織が派遣労働者には冷たく、原発推進なんて動きを見せていることからもわかるように左という概念は既に死語に近く、英国の状況と似たようなものですね。

ところで記事の中で私が引っかかったのは別のところ。貧しい家庭で育ったという彼女は高校時代、

奨学金をもらうのに加え、アルバイトをしながら高校に通う日々。教師にそのことを伝えると「今の時代、そんな(お金に困っている)学生が日本にいるわけないだろう」と言われ、頭から存在を否定された気持ちになった、・・・・・

とのこと(上記引用はすべてYahooニュース)。

その教師は世間知らずだったのか。でも彼女の出身地が福岡県福岡市で、問題の高校が修猷館高校と知り、腑に落ちました。修猷館とは私がどうしても好きになれなかったあの高校です。プレイディみかこさんには妙に親近感を憶えた次第(苦笑)。彼女のそんな原体験が現在の英国事情とくに労働者階級の雰囲気を読み取るのに関係しているのでしょうね、きっと。彼女の言い分は今後も要チェックです。