夏の血糖値

.Books&DVD… .Lowcarboあるいは糖質制限

以前、私の血糖値が夏季に高くなる傾向があることをデータで示しました。今年もどうやら同じようです。前回は測定時の温度補正や発汗に問題があるのではないかと勘ぐっていましたが、海外の文献を読むとどうやら発汗や睡眠に関係しているみたい。

・・・

糖質制限を始めてから早3年と9ヶ月。最近はNHKでも取り上げるなどトレンドっぽくなっていますが、こちらの狙いはダイエットではなく食後血糖値が高くなるのを防ぐため。大仰にいえば、命がかかっているので転けるわけにはいきません。

この間の経過については何度か触れており、夏季の早朝血糖値が高くなる傾向については2013年11月11日の「糖質制限1年経過 その2」で記した通りです。

・・・夏場は起床時血糖値が少し高い。この理由としては既に触れたように、血糖測定器のセンサーの温度補償がうまくできていないことの他、夏場の発汗などによる交感神経系ホルモンの影響ではないかと考えています。(2013年11月11日 記)

夏の血糖値がどうのこうのなんて健常な人にとってはどうでもいいことなのでしょうが、膵臓の機能がへたっている者ではそうはいきません。糖質(何度も書いていますが、糖質とは炭水化物マイナス食物繊維)をできるだけ摂らないようにしていても朝起きたら110を超えるような、つまり糖質少なめの食事を摂ったような血糖値になることが夏季には時々あるのです。

気温が低い冬季やマイルドな春秋には早朝血糖値は90前後に収まっているのに、なぜ夏になると早朝血糖値が高めになるのか。ドーン現象(夜明け現象)などという言葉もあるのですが、理由ははっきりわかりません。

今年も夏がやってきて、起き抜けの血糖値の100超えが時々あるようになりました。暑くて寝汗をかいたり夢見が悪い時には110超えの時もあります。だいたい毎年梅雨空けくらいからの現象です。変ですね〜。

そんなおり昨年来読んでいるR.Lustigさん(肥満研究者 UCSF医学博士。以前にも少し紹介)の「FAT Chance」に以下のような記載がありました。

ストレスは食事に多大な影響を与えるが、1つは睡眠を減らし、そのことが肥満の要因となると同時に結果にもなっている。

・・・あるいは

睡眠不足はコルチゾールを増やし、レプチンを減らす(注)。そのことにより飢えと空腹に似た症状となる。等々

ああ、これですね。やはり発汗や暑さによる睡眠不足がストレスとなり、早朝血糖値を嵩上げしているのではないでしょうか。

Fat Chance: The Hidden Truth About Sugar, Obesity and Diseaseといって自らを納得させても、高めの早朝血糖値は気分が良くありません(苦笑)。どげんしたらよかと?

朝食の糖質量をより少なめにするか、あるいは珈琲程度に留めて昼間の血糖値を下げるのがいいのか。最近はケトジェニックな体で空腹感をあまり感じないので糖質量のコントロールは容易くなっているのが救いといえば救い。糖尿病あるいはその予備群の皆様、発汗や睡眠不足にはくれぐれもご注意下さいまし。

(注)レプチンというホルモンは1994年に発見され、インスリンのコントロールに関わっていることが明らかにされているため、とくに肥満や脂肪の蓄積について従来の生理学に対して抜本的な見直しを余儀なくさせています。なお、右記の本にはまだ邦訳がないみたい。