バニリン

一泉庵

泡盛その後の話。
どなんの17年を飲んでいて気づいたのですが、甘さが強く感じられるのです。3年モノとか10年モノでは感じられない甘さです。そういえば、雑誌「カラカラ」にそんな話が出ていたなぁと思い出し、インターネットで検索してみました。すると、沖縄工業技術センターなどのHPに、4-ビニルグアヤコール(4-VG)がバニリンに変化する話が載っていました。…

話はこうです。泡盛の香味成分の1つにバニリンがある。バニリンとはバニラ果実に含まれる香味成分のこと。これが泡盛でも出てくる。もちろん、最初から入っているわけではなくて、原料米の中のフェルラ酸が黒麹菌によって変化し、蒸留過程で4-ビニルグアヤコール(4-VG)が生成し、それが熟成過程でバニリンに変化するとのこと。

上記の話がウソか本当かは私には即断できません。でも、私の飲んだ印象では最初になかった甘みが17年後には出てきた、ということだけはたしかです。これが泡盛古酒の魅力だとしたら、甕に入れて長期熟成させる価値はあるというべきところでしょうか。ただ、「もろみ中の遊離フェルラ酸が蒸留工程において4-VGに変化し、泡盛中に留出する歩合は全体の1割程度」(トロピカルテクノセンター)との報告もあり、どこの酒造所の泡盛でも同じというわけではないとのこと。まぁ、そんな話もあるんだな位に聞いておきましょう。

(おまけ)サイト検索をしていると、西酒造のバニラエッセンス添加問題 決定版!というのを見つけました。書かれている話が事実かどうかは私にはわかりませんが、そういう手段で甘さをつけるのはありそうな話だと考えさせられました。ワインでも結構怪しいことをやっているようですし、焼酎だけは安心ということもないでしょう。やはり、消費者には信頼できるメーカーの製品を選び取る「たしかな目」が必要ですね。