17年の時を越えて、どなん

一泉庵

沖縄紀行番外編。
今回泡盛の良さに改めて目覚めましたが、実は14年前の沖縄旅行でも同じ体験をし、その時は「どなん」を買い込んで壷で保管しました。入れたのが3年モノだったので、既に17年モノとなっています。沖縄から帰ってきて床下から取り出し、久しぶりに飲んでみると、なかなかのものとなっていました。…

14年前に泊まったの某ホテルのオーナーが持っていた「どなん」は、3年、8年、20年の3種類。20年モノは本土復帰前の1968年に瓶詰めされたものでした。もうこんなのは飲めなくなるよとの言葉についふらふらと買ってしまいましたが、飲んでしまってもうありません(残念)。

しかし、フランスのグランヴァンにも匹敵するような、20年モノという謳い文句のお酒が泡盛で楽しめるというのは痛快です。値段も相当なもので、当時よく買ったものだと今更ながら呆れます。8年モノは連れ合いの上司へのお届け物で使ってしまい、私は味をたしなんでおりませんが、3年モノは壺屋通りで手に入れた縄つきの壷に入れて放置しておきました。

途中、飲んで減った分を同じ「どなん」の3年モノで補充しようとしたら、モノがありません。10年くらい前の京都近辺では「どなん」を扱っているお店がなかなか見つからず、やっと京都駅前のアヴァンティ地下の酒屋さんで見つけた時は小躍りしたものです。

その「どなん」ですが、与名国島の国泉酒造が送り出すアルコール度数60度の花酒で、そのまま飲むとノドが焼け、むせるような強烈なアタックがあります。でも、その熱風のような洗礼を通過すると、まったりとした芳醇な味わいが立ち上ってくるという、変わった代物。はまると逃げ出せなくなります。最初の印象で二度と飲むまいと思う人がいても不思議ではありませんが、私に云わせると損な話でございます。

さて、今回17年の時を超えて飲んでみると、「どなん」特有の強烈な洗礼はあるものの、以前よりもずっとまろやかになったような感じがします。こちらが年をとったのか、お酒が熟成したのか。どちらでもいいけど美味しくなったのは間違いなさそうです。壷熟成は沖縄では当たり前の作法ですが、新たに壷を買い求めようかと連れ合いと相談しはじめています。

そんなこんなで、なにかしら、焼酎ブームの次は泡盛ブームを予感しますね(きっぱり)。