最初からつまづく?大阪府の高度処理

Water

大阪府水道部では98年夏からオゾン/粒状活性炭ろ過処理を追加した、いわゆる『高度処理』を開始し大阪府民に給水しています。ところが、噂によると、殺藻用に入れていた塩素のために活性炭ろ過がうまくいかなくなり、トリハロメタンがうまく除去できなくなったらしいのです。

 大阪府水道部は前塩素注入を止めたとのことですが、活性炭ろ過をするのに前塩素を入れていたとしたら水処理のプロとしては恥ずかしいことです。いったん塩素消毒してしまえば、有機塩素化合物が生成し、それが活性炭ろ層の中で塩素無しでも加水分解をはじめトリハロメタン濃度が上昇してくるのは水処理の常識ですから。
 大阪府の担当者がそんなことを知らないはずはなかったと思います。多分前塩素を注入しないと前段の沈殿池やろ過地での藻の発生がいろいろな支障をきたすのを心配し、それが足を引っ張ったのでしょうか。しかし、活性炭ろ過するのなら前塩素は禁じ手、この重要性を鑑みなかったのも事実。噂が本当なら、有機塩素化合物で充填されてしまった活性炭ろ層は数ヶ月は満足に使えないでしょうね。府民の料金だけでなく国民の税金までつぎ込んだ設備ですから、高い勉強賃です。
 そうとも知らずか、この高度処理を持ち上げるかのような報道をしていた某新聞の記事などは「大本営発表」になってしまいました。[#W07] も参照のこと。