近況 2015年7月末

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認知症と診断されたあなたへ7月末はだいたい暑い。加えて今年はムシ暑い。国会では戦争法案が着々と進行中だし、粉飾会計の東芝をマスメディアは不適切会計などと誤魔化す毎日ですから、余計に暑苦しく感じます。

皆様、お変わりございませんか。

ここ2週間ほど本サイトへの書き込みをしませんでした。忙しかったわけではありませんし、病気だったわけでもありません。この間ある関係の本を貪るように読んでいたためです。


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ブログ「認知症一期一会」―認知症本人からの発信先日友人が若年性アルツハイマーと診断されたと聞き、びっくり。私と同じ位の年齢なのに早すぎると思いつつ、60歳以下でも認知症になる人が最近ちらほらという状況からすると驚くようなことではないのかもしれんなぁと思いました。ちょうど良い機会だったので一気に認知症関連の本を漁ってみると、そこには知らなかった話や驚くような話がいっぱい。ホンマにびっくりのここ半月でした。

認知症といってもアルツハイマーだけではありません。10数年前まではアルツハイマー病と脳血管性のもの、その混合型が問題になっていたようですが、現在ではピック病(前頭側頭型認知症)やレヴィ小体型の認知症なども問題になっています。素人考えでいえば、認知症に一括りすること自体に無理があるんじゃないかと思う次第です。

認知症の「真実」 (講談社現代新書)そんな状況ですから対応する医者の知識が最新事情についていけず、10年一昔というか、アルツハイマーの進行を遅らせるとされるアリセプトをどの認知症にも投与するという愚かな治療がなされているのが実態です(アミロイドβで認知症になるというのもまだ仮説でしかないのに)。

薬が効かない人や薬で体調を壊す人が出てきても、さらに薬を増量したり別の薬を追加するなどで悪化する状況もあるらしい。薬の問題だけではありません。普通のうつや高次脳機能障害やパーキンソン病が認知症と誤診されてしまうケースが山ほどあるそうで、何でもかんでも認知症にするというのが流行なのかと呆れてしまいます。

痴呆を生きるということ (岩波新書)一方で、認知症になった人1人1人の生活に寄り添い、その尊厳を守るため努力している家族や介護の人たち、そして一握りの医者や看護師さんらがいることも知りました。抗精神薬で黙らせてしまうという治療が蔓延る中、尊厳を守る介護とは(私などからすると想像を超えて)ホンマに過酷で壮絶な毎日だと思われますが、それでもそういう人たちがいることを知り、心強い思いがします。

私は私になっていくまた、ここ10年くらい認知症になった人自身が自ら本を書いたり発言することで認知症に対する偏見をなくし生き方の可能性に道を開いているのが素晴らしい。オーストラリアのクリスティーン・ブライデンさんを始め、日本では佐藤雅彦さん、あるいは水木理さん、最近では樋口直美さんなどの言い分を読んでいると、医者がいう認知症とは全く違った世界が浮かび上がってきます。

病気は診るが患者を見ない医者がいるといいます。認知症の医療とはほとんどがその実例のようなもののようですが、私が一番興味を覚えたのはそんな実情に異議を申し立てた小澤勲医師の話でした。

認知症とは何か (岩波新書)認知症にはいろいろな原因があるのだから予防しようとしても無理、老化で記憶が怪しくなるのは仕方がないし、脳の萎縮があっても立派に人生をまっとうできる人がいるではないか、認知症になった人が何を求めているのか、何を考えているのか、その気持ちを何とか読み取ろうと唱えた小沢勲医師。残念ながら氏は数年前に他界してしまいましたが、彼の見解は(現在のまともな)認知症介護の基礎になっているといっても過言ではないでしょう。

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認知症になった私が伝えたいことさて、くだんの友人の件。よくよく聞いてみると、脳の変性をきちんと調べたわけでもないのに医者が認知症と診断し、アルツハイマーに効くというアリセプトを処方したらしい。これはメチャクチャ。可哀想に友人は薬の副作用でうつがひどくなり、体調を壊していました。流石に本人もその危うさに気づたのか、薬を止めたら回復したとのこと。

私の脳で起こったこと レビー小体型認知症からの復活ヤブ医者にあたったねと云うと、担当医は認知症では高名な先生系統だそうで、まさに認知症を国民病に仕立て上げ、認知症かどうかも曖昧な人まで薬漬けにしているグループでした。こんな連中が現在の主流派みたいだから、こんな例は他にもたくさんありそうでくわばらくわばら。

ということで、私が勉強した認知症の話は今後折りに触れて紹介していきます。