光る風 再び

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1970年に雑誌少年マガジンに登場した「光る風」。時代は未来で不詳。軍国主義に傾き米国主導で戦争にのめり込んでいく日本の姿を漫画にしたもの。読んでみると、漫画で描かれる状況が今の日本に似ていることにまず驚きます。憲法改憲が妥当かどうかは別として海外出兵に道を開くような動きにはノーの声を上げていかないと本当にイヤな時代が到来しそうです。

hikarukaze「光る風」が発表されたのは1970年4月から11月だったとのことですが、当時私は中学3年生。そんな漫画もあったなぁという程度できちんと読んでいませんでした。大学生の時に読もうと思いましたが、古本がなかなか見つかりません。あってもベラボウな価格がついていたりで閉口した記憶がうっすらあります。

筋はシンプル。先の世界大戦で戦争を止めたはずの日本がいつのまにか米国主導で戦争国に逆戻り。1930年代の再現で国民は悲惨な状況へ・・・。1970年といえばベトナム戦争真っ盛り。日米安保の自動継続が行われた1970年インドシア半島情勢が悪化していく中、日本も米国といっしょに出兵するのではないかという危機感が出ていた、そういう時代背景の中でこの漫画は登場したのです。

私自身高校生の時、もし徴兵制度が復活して戦争に行けと云われたら如何にして拒否するか、どう逃げるか逃げられるのか真剣に考えたことを今でもくっきり憶えています。


そうがどうでしょう。あれから40数年経った今現在、極右組織の「日本会議」に支援された安倍政権が次の選挙で海外出兵に道を開くような改憲を予定しているではないですか。おまけに選挙の争点は経済問題だと安倍某がウソをついてもNHKをはじめ大メディアはそのことを無視あるいは軽視したまま。国民をペテンにかけて戦争に突入していった昔といっしょじゃないですか(戦前の朝日新聞等はイケイケの軍国主義でしたが、また繰り返すつもりなのか!)。

そんな中、「光る風」が昨年復刊されたのも時代の要請なのでしょう。チャンスがあれば是非ご一読下さい。私の近所の方なら貸し出せますので一声おかけ下さい。(注)本の定価は1900円+税。足下を見るような中古価格にはくれぐれもご注意を。

それにしても、戦争反対と声を上げる者を非国民と侮蔑する世の中がまたまたやって来るのかと思うと憂鬱な気分です。海外出兵がイヤなら次の選挙で改憲政党には票を入れないことがとりあえず大切です。