動き出した日銀の株価

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BOJデフレ脱却のため日本銀行は2%の物価上昇率を「目標」に掲げ、邁進しています。これがアベノミクスの根幹。所得が伸びない中で物価だけ上がってしまうとどうなるか、常識でわかりそうなものなのに、新総裁は「なんでもする」と云ってシャカリキになっています。そんな姿に何かキナ臭さを感じさせるのは私だけではないでしょう。まさか戦争までは想定していないことを願うばかりです。
その日銀ですが、昨年暮れから株価が大きく変動しています。なぜ? どこの誰が売り買いしているんでしょうか。何か良からぬことが進行しているような、そんな気分にさせてしまいます。

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日本銀行は国の機関ではなく認可法人。株式市場にも上場しており、上場コードナンバーは8301。株価を調べてみると、昨年暮れ辺りから急に上昇し、3月にはさらに急騰し、9万円を超えてしまい、現在は7万円前後をウロウロしています。昨年は4万円を切っていた株価ですから、急に倍に跳ね上がったというわけです。

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日銀株が倍になったりすること自体、異常なのですが、この動きはいったい何を意味するのか。アベノミクスで日銀の施策は大歓迎、日銀の株を持っていたら儲かるゾというわけでしょうか。まさか? とはいっても、私にはさっぱりわかりません。

日銀は政府機関ではありません。米国の中央銀行FRB(連邦準備制度)も民間団体ですし、各国のモデルとなったとされるイングランド銀行も民間合同会社。もちろん、それぞれの国の法律で中央銀行の目的や権限、あるいは規制などを定めてはいますが、中央銀行そのものが国の組織ではないことを私たちは知っておく必要があります。

もっとストレートに云うなら、それぞれの国の金融を支配しているのは国家のようであって、実はそうではない、約半分は一部の民間資本だということ(日銀の場合約45%が民間出資)。これがいったい何を意味するのか。

この点、法律では政府の持ち分が55%だから心配なしとする意見を聞きますが、非常時なんて法律改変は当たり前なのが歴史の教えるところで、アテになりません。だいいち、45%の民間出資者の詳細が公開されていないのが不思議です。明治時代の日銀発足時に投資した欧米系の金融資本がズラリと並んでおり、そのリストを国民に知られたくないのでしょうか。誰か知っている人がいたら教えて欲しいものですわ、ホンマ(ちなみに、FRBの出資者は大手金融機関であることが公開されていますので、その類推で云えば、日銀も赤い楯系とかそんな連中が出資者である可能性大)。

各国の中央銀行が民間機関であることから考えると、国際金融というのは国家の枠組みを超えたところで決定されるものであり、権力を持った誰かがいじれる世界ではないのか。陰謀論に陥ることなく、この事実を事実として認めながら、いったいこれから日銀は何をしようというのか、世界は日銀に何を要求しているのか、私たちはチェックを欠かしてはなりません。

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